MIX CLOUD LCR Disco-23

しばらく変化球が続いていましたが、
いろいろ忙しくなる年末ですし、
70’sディスコな曲ばかりで混ぜてみました。
下記LCR Disco-23のリンクボタンを押して頂くと、
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楽しんで頂けたら幸いです。

LCR Disco-23
shuroom

  1. Let Me Down Easy / RARE PLEASURE 1976
    1976年ディスコ初期の隠れた名盤でRARE PLEASURE唯一の12inchシングルです。ドリーミィなアレンジと女性ヴォーカルのサビが心地よい、まさにディスコ・ミュージック。イントロのピアノリフは様々なHouseでサンプリングもされました。

  2. Shine on Silver Moon / MARILYN McCOO & BILLY DAVIS Jr. 1978
    元5th DIMENTIONのリード・ヴォーカルだった夫婦は1976年のミディアム『You Don’t Have to Be a Star』でビルボードの一般及びR&Bチャートで1位を獲得しています。そんな彼らが1978年に放った軽快なディスコ・チューンです。共同プロデューサーにはBILLY DAVIS Jr.と並んでSTEVE CROPPERの名前もあります。

  3. Shining / VENUS DODSON 1979
    『Weekend』が有名なPHREEKのヴォーカルVENUS DODSONのアルバム『Night Rider』からの12inch。LEROY BURGESS作曲・プロデュース、TEE SCOTTリミックスの疾走感溢れるディスコ・ブギーです。

  4. Gotta Get It / TONY VALOR SOUNDS ORCHESTRA 1976
    TOM MOULTONと共同で数々のディスコヒットを持つプロデューサーTONY VALORのファースト・アルバム『Gotta Get It』からの12inchシングル。渋い男性ヴォーカルやブリブリのクラビネット音がファンキー度数を引き上げています。もちろんミックスはA TOM MOULTON MIXです。

  5. Ten Per Cent / DOUBLE EXPOSURE 1976
    世界初の一般向け商業用12inchとしても有名なシングル。Salsoulサウンドを象徴するEARL YOUNGのドラムスを強調&ストレッチしたダンサブルなリミックスはWALTER GIBBONSによるもの。House Musicが単純な4つ打ちリズムでも、テクノとは違うソウルやエモーショナルな魅力を併せ持つのは、彼らの生演奏から特にドラムスがサンプリングされていたのもその要因のひとつだと思われます。

  6. Extra Extra (real all about it) / RALPH CARTER 1976
    アメリカの人気子役RALPH CARTERが14歳の時にリリースしたアルバム『Young and in Love』より。当時日本でも大ヒットした懐かしいこの曲も納得のA TOM MOULTON MIXです。

  7. Bourgie’, Bourgie’ / JOHN DAVIS with MONSTER ORCHESTRA 1979
    フィラデルフィアのプロデューサーJOHN DAVISが自身のオーケストラでASHFORD & SIMPSONのガラージ・クラシックをカバーした、プロモオンリー12inchシングル。ディスコ全盛のこの頃は、とにかくたくさんのオーケストラ名義のアーティストがいましたが、JOHN DAVISのそれは『Love Magic』を始め、数多くのヒットを持つディスコ・オーケストラの代表格です。

  8. Theme from “Shaft” / THE LOVE UNLIMITED ORCHESTRA 1979
    BARRY WHITEお抱えのオーケストラ1979年作12inchシングルA面。ISAAC HAYESによる『Shaft』のテーマをオリジナルのクール感を損なうことなくディスコ・カバーしています。

  9. Joyce (instr.) / PAPA JOHN CREACH & THE MIDNIGHT SUN 1975
    どちらかと言えばJEFFERSON AIRPLANEやHOT TUNAなど、San Franciscoロック界隈での活躍が目立っていたヴァイオリニストのシングルで、Buddahレーベルの記念すべき1番目の12inch。こちらもA TOM MOULTON MIXです。

  10. Moon Maiden / LUV YOU MADLY ORCHESTRA 1978
    DUKE ELLINGTONの曲をフリーキーにカバーして、WALTER GIBBONSがリミックスした12inchシングル。ヴォーカルはもちろん演奏やアレンジも一筋縄ではいかない変態ディスコです。
    WALTER GIBBONSは、ダンスフロア向けに音のバランスを変えたり、マスターを切り貼りするなどして楽曲を再構築したリミックス盤制作の始祖。彼がAIDSで亡くなる前年の1993年もDJとして来日しており、体調優れない中でキャスター&背もたれ付の椅子に座りながら真剣に仕事をする姿は今でも忘れられません。

  11. Out of My Hands (club mix) / UNFINISHED BUSINESS 1987
    このレコードだけ1987年のHouse初期作品を持ってきてしまいました。オリジナルはOMNI 1981年の同名曲。歌を含め原曲の魅力を損なうことなく、若かりし頃のFRANKIE KNUCKLESがディープにリミックスしUNFINISHED BUSINESS名義でリリースした12inchシングルです。オリジナルよりリズムをシンプルにする事でグルーヴ感を立て直し、ホーンを加えてよりドラマチックな楽曲に生まれ変わっています。

  12. Cocomotion’ 79 / EL COCO 1979
    RINDER & LEIWSによるディスコ・プロジェクトEL COCOの、サンプリングネタとしても有名な彼らの代表作79年リミックス・ヴァージョン。雰囲気のあるLOFTクラシックです。

東京で再現されるポルトガル料理の神髄/代々木公園 クリスチアノ

フェルナンドのエントランス
フェルナンドのエントランス

私が初めてポルトガル料理を食べたのが、少し前香港に住んでいた時に、何回も訪れたマカオであった。マカオはご存知のように旧ポルトガル領で、世界遺産含め、ポルトガルの香りが至る所で感じられる小さな島である。
当然何件もポルトガル料理のレストランはあるが、料理も雰囲気も素晴らしかったのが、コロアン島と呼ばれるマカオの一番端の海辺にあるフェルナンドという店だった。

マカオのフェルナンドのパンフレット
マカオのフェルナンドのパンフレット

フェルナンドはいつも混んでおり、大概は広い中庭で飲みながら待つことになる。その空気自体が、南国的というかジャマイカにでもいるような気分にしてくれる。
誰もいらついて待つ訳ではない。軽く一杯飲みながら待つ事自体が楽しみになる、そんな空間だった。
日本よりも南国的な気候のマカオだが、店内に入ってもエアコンは無く、あくまでもなナチュラルな感覚である。

マカオ、コロアン島のフェルナンドの中庭
マカオ、コロアン島のフェルナンドの中庭

ようやく店内に入ると、アサリ、イワシ、タコ、豚など、ポルトガル料理のメインキャストを使ったメニューを次々に頼みたくなる(が、ボリュームがすごいので、多くの種類は頼めない)。
ヨーロッパのリゾートにいるような気分と、豪快に素材を使った素朴な家庭的な料理で、マカオに行くと必ず寄りたい店になった。
コロアン島は、マカオのフェリーターミナルや中心地からはかなり離れている。
店に行くときはタクシーだが、帰りにはタクシーが見当たらないこともしばし。
時にはお店の車で市街地まで送ってもらい、時には慣れない路線バスでスリリングに移動する。そんなのんびりした移動も、フェルナンドならではの楽しみである。
余談だが、マカオにはアジアの中継起点であった歴史を象徴するようなマカオ料理も存在する。
ポルトガル料理をベースにしながら広東料理のエッセンスを盛り込んだマカオ料理は、正に多国籍料理である。
カレーを使った料理など、日本人にも馴染みやすいと思うのだが、今のところ日本では本格的なマカオには出会ったことがない。

フェルナンドの豚肉と豆の煮込み料理
フェルナンドの豚肉と豆の煮込み料理

ポルトガル料理は、今の日本ではあまり馴染みの無いジャンルであり、東京でも本格的に食べる事の出来る店は限られている。
元々日本に輸入された西洋文化はポルトガルが起点であり、日本とは馴染みの深い国柄である。
マカオには切支丹大名が派遣した天正少年使節団やザビエルの軌跡もあるが、国交は深い歴史を持つ。
よくドラマのシーンに出てくる織田信長の飲むワインは、ポルトガルのワインであり、金平糖や天ぷらも、ポルトガルから輸入された調理法が起源となり、アレンジされたと考えられている。
その割にはカステラと、ポートワインぐらいしかポルトガルで、すぐに思いつく食べ物はなく、ポルトガル料理店を町で見かける事も滅多に無い。
料理自体も、肉、魚を炭で焼いたり、煮込んだりしたものが多く、卵や野菜もふんだんに使われており、日本人には比較的馴染みやすい料理だと、フェルナンドに行く度に感じていた。

フェルナンドのサラダ
フェルナンドのサラダ

そんな中、ポルトガル料理の神髄を味わえる店が、代々木公園にあるクリスチアノである。
東京に戻ってから食べるポルトガル料理は、妙に高級感があったりして、フェルナンドで味わったような豪快さや素朴さは影を潜めていた。
しかしこのクリスチアノでは、ポルトガル料理が本来持っている家庭的な風合い、フェルナンドで味わったような豪快な素朴さが、一つ一つのメニューから感じることが出来た。
店に一歩足を踏み入れると、ガヤガヤとした賑やかな雰囲気を、誰しもが感じるだろう。
どのテーブルでも、カジュアルにポルトガル料理を楽しまれている空気が、ダイレクトに伝わってくるのだ。

ポルトガルワイン
ポルトガルワイン

この店に入ると、お酒が好きな方は、まずはポルトガルワインを選ぶ事から始まるだろう。
100種類以上のポートワインが、リーズナブルな価格で提供されている。
この日は、VINHO VERDEと呼ばれるグリーンワインを試してみた。
料理も前菜からメインまで多彩に用意されている。タパス的な小皿料理から、ポルトガル料理の代表的なイワシの炭焼や、ボリューム感満点の肉料理まで、季節に合わせて提供されているので、チョイスをするだけでも楽しくなる。
尚料理は季節によってメニューが変わり、取材日からのタイムラグもあるので、今回紹介する料理が必ずしも当日のメニーに登場する訳ではないが、魅力的なメニュータイトルから、選択に頭を悩ましてしまうのは間違いない。

リンゴとアンチョビのおつまみ
リンゴとアンチョビのおつまみ
ひたし豆と豆腐、赤玉葱のサラダ仕立て
ひたし豆と豆腐、赤玉葱のサラダ仕立て
アサリと豚とジャガイモのアレンテージョ
アサリと豚とジャガイモのアレンテージョ

隣国のスペイン料理も然りだが、前菜には多彩でクリエイティブな料理が並んでいる。
今回ご紹介している中でいうと、豚肉、アサリ、ひたし豆などは、ポルトガル料理の定番と言っていい素材である。
調理法もオリーブや豆乳を使うなど、初めての方でも食べやすい筈だ。

黒むつの塩ゆで
黒むつの塩ゆで
バカリャウプラス。タラとジャガイモの卵とじ。
バカリャウプラス。タラとジャガイモの卵とじ。

ポルトガル料理のメインの一つは、前述したように魚料理である。
バカリャウと言われる干し鱈、イワシなどは、代表的な素材である。
この写真にあるのは、バカリャウプラスと呼ばれるバカリャウとジャガイモを卵であえた料理だが、過去に経験のない種類の美味しさだった。
デザートにはエッグタルトも控えるが、卵もポルトガル料理では重要なエッセンスとなっている。

肉のミルフィーユサンドイッチ。
肉のミルフィーユサンドイッチ。

アイスクリームにエッグタルト
アイスクリームにエッグタルト

肉料理も当然美味しい。この写真は、フラセジーニャと呼ばれる様々に調理した肉を食パンに挟んだサンドイッチである。
ボリューム満点であるが、実は見た目ほどではなく、しっかりとした数種類の味の肉を楽しめる。
パンと肉のマッチングなど、これまた過去に経験のない豪快な味覚である。

そしてデザートも多彩だ。今回ご紹介するのは、今やマカオ名物ともいえるエッグタルトに、バニラアイスクリームのコンビネーション。
マカオにはロードストーズベーカリーと、マーガレット カフェ・エ・ナタという元夫婦が経営する二つの有名なエッグタルトの店がある。
昨年には今や大人気店になっているエッグタルトのテイクアウト店ナタ・デ・クリスチアノをオープンしたが、ここではマカオの有名店に匹敵するエッグタルトを食べられるのもうれしい。
バニラをふんだんに使うのも、ポルトガル料理の特徴だが、アイスクリームもほどよい甘さである。

クリスチアノの最大の課題は、予約が取りにくい点であったが、魚料理メインの店マル・デ・クリスチアノも開業と、姉妹店も続々とオープンしている。
代々木公園に足をお運び頂き、是非共ポルトガル料理を堪能してみて頂けますでしょうか。

ポルトガル料理&ワインバー クリスチアノ
電話予約  03-5790-0909 (ご予約はお電話でのみ)
定休日 月曜日
営業時間
火~土 18:00~26:00(L.O.24:00)  日曜・祝日は24:00閉店(L.O.23:00)
※10月1日より営業時間が変わりました。
住所  〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷1-51-10
小田急線代々木八幡駅、千代田線代々木公園駅から徒歩1分。

人はそれと知らずに、必ずめぐり会う。たとえ互いの身に何が起こり、どのような道をたどろうとも、必ず赤い輪の中で結び合うーラーマ・クリシュナー (ジャン・ピエール・メルヴィル監督「仁義」*原題"Le Cercle Rouge"より)