偉大なる反逆児ポール・ニューマンの軌跡/Cinema Discussion-48

© 1961 Twentieth Century Fox Film Corporation.

公開映画を複数の視点からとらえ、映画評論の新しい手法を考えようとしてスタートしたセルクル・ルージュのシネマ・ディスカッション。
第48回は、ハリウッドの名優ポール・ニューマンの特集上映≪テアトル・クラシックス ACT.2 名優ポール・ニューマン特集 ~碧い瞳の反逆児~≫です。
ポール・ニューマン50〜60年代の主演作品4本が劇場で公開されます。
『明日に向って撃て!』 
『熱いトタン屋根の猫』  
『ハスラー』  
『暴力脱獄』 
今回も映画評論家川口敦子と、川野正雄の対談形式でご紹介します。

© 1958 WBEI『熱いトタン屋根の猫』

★フランスのベルモンドに続いてアメリカのビッグスター、ポール・ニューマンを銀幕で見られる特集上映です! 4本それぞれの感想からいってみましょう。制作年代順にまずは1958年の『熱いトタン屋根の猫』、テネシー・ウィリアムズの戯曲を映画化した一作でニューマンは初のオスカー主演男優賞候補となっていますが、このニューマンどう見ましたか?

川口敦子(以下A):今回の4本のうち、リアルタイムで映画館で見たのは『明日に向かって撃て』だけで、他の3本は公開時まだ子供で後追いしたものばかり、ニューマンってそういう時代から長くクールにキャリアを歩んでいたんだなあなんて少しまぬけな感慨に浸ったりもしました(笑) 
実際、青い瞳のハンサム・スター、その美しいルックスで輝いた5-60年代の代表作はテレビ洋画劇場全盛期に見て、それからビデオでもと。いっぽうで成熟の域、渋みを全開にしていく70年代以降の公開作でリアルにいい感じに歳をとってく姿を愉しみつつ、若き日の美貌を振り返りああっと惹き込まれる、といった形でポール・ニューマンってスターとは出会ってきたんですね。その意味で大きなスクリーンで美しいニューマンに見惚れるチャンス、改めて貴重な機会に胸躍ります。
 で、テレビ放映で見たニューマン作品の中でも個人的にいちばん好きだったのがこの『熱いトタン屋根の猫』なんです。原作のテネシー・ウィリアムズの戯曲はニューマンにうっとりした後で急いで読んだんですが、そこでは死んだ親友との関係がもっとホモセクシャルの色濃く描かれていて、それはそれでヘッセの「知と愛」とか三島とかが好きだったミーハー女子中学生にとってはなかなかに魅力的だった、でもだからといってその要素が無難にカモフラージュされた映画版に不満だったわけでもなく、松葉づえで不自由な体をもてあましつつ、酔っ払い、ふてくされ、美貌の絶頂期のエリザベス・テイラーにすげなく冷たく接するニューマンの硬質のセクシーさにじわじわ惹き込まれていたなあと、懐かしく思い出しました。
 今回、見直してみると十代の頃にはあまり感じなかったんですが父と息子の関係の部分、地下室での長い対話の部分のニューマンの演技がメソッド俳優の誇りみたいなものを底に秘めて頑張りすぎすれすれ手前で惹き込まれる、ついつい『理由なき反抗』のジェームズ・ディーンのことを思い出し、そういえばその代役として『傷だらけの栄光』でブレイクしたんだったなあ、なんてしみじみしたりもしたんですが、後に自身の息子を不幸な形で失くすことになるニューマンなのだなあなんてことまで思い、そこは、時を経て観ることのよさというか強みのひとつでもあるんでしょうね。

川野正雄(以下M):今回の上映で、唯一初見がこの『熱いトタン屋根の猫』です。
見始めて最初は、やっぱり古いなあ〜なんて印象でした。エリザベス・テーラーの映画というのが大体保守的なハリウッド映画というイメージがあり、またテネシー・ウイリアムの舞台劇を映画化したという舞台的な台詞の詰め込みを感じて、他の3作品に比べると今ひとつかな〜と感じていました。
ところが中盤前あたりから、徐々に隠されている謎みたいなエピソードが明らかになってきて、一気に作品に引き込まれました。
非常に入念に台詞は組み込まれ、ポール・ニューマンの演技もどんどんギアが入っていく感じで、作品全体のテンションも高くなってきました。
ポール・ニューマンの私のイメージは、ハリウッドの良心というか、優等生のようなものなのですが、クールな外見とは裏腹の心の闇という部分を、アクターズスタジオ出身俳優らしくこの作品では見事に表現していると思います。
今回この作品を一番最後に見ましたが、面白かったのは、『ハスラー』『暴力脱獄』と『熱いトタン屋根の猫』がいずれも酔っ払いシーンから始まる点でした。
アル中キャラという些か似合わないキャラクターが共通項になったのは、偶然でしょうか。

『ハスラー』© 1961 Twentieth Century Fox Film Corporation.

★続いては『ハスラー』。スコセッシ監督、トム・クルーズ主演の続編『ハスラー2』(86)にもその後のエディ役で登場、ついにアカデミー賞主演男優賞に輝くことになるわけですが、ニューマン36歳、飛躍の60年代を牽引した快作『ハスラー』(61)の魅力、語ってください。

M:『ハスラー』は3回目くらいかなぁ。最初見たのは随分前で、テレビかもしれません。
『ハスラー2』がヒットした後も、何かで見る機会があって、やはり『ハスラー2』よりも断然クルーでいいなという印象でした。
こういうギャンブラー物の映画はドキドキしますし、映画としても面白いジャンルだと思うのですが、スティーブ・マックイーンの『シンシナティ・キッド』と並んで、60年代アメリカ映画では双璧ではないでしょうか。
で、特に感じるのは敗者のカタルシスですね。常に人生何事も勝てる訳ではなく、負けた時の美学みたいな部分に惹かれるわけです。
特に支えてきた恋人の末路は非情であり、この段階で人生は負けのような状況になってしまいます。
そしてどん底からの巻き返しになっていきますが、その屈しないメンタルは『暴力脱獄』にも繋がっていると思います。
ここで生み出されたポール・ニューマンのキャラクターは、この後の多くの作品にリンケージしているように思います。
そしてニューマンのシンプルなファッションも格好いいですが、正装でビリヤードに臨むミネソタ・ファッツも実に格好いいです。自分の年齢はファッツに近いわけで、見ながらミネソタ・ファッツにも思いを重ねていきました。

A: いやあやっぱりかっこいい! でも暗い。
ハリウッド映画離れしたというのかな、時代の先をいってるような酷薄さにうなりました。
うぬぼれた生意気盛りの小僧、でも才能はあるってエディのやな奴ぶりを容赦なく演じているのに憎めない、ニューマンならではの役作り、いいですよね。
もちろんそこが一番の見所ではあるんですが、周りの面々も見逃せない。とりわけ非情のマネージャー役ジョージ・C・スコットと翳りを独特の魅力にしてもいるような恋人役パイパー・ローリー、しびれます。
脇を固める俳優の深さが映画を輝かせるって今更ながらに実感せずにいられなくなりますよね。
監督ロバート・ロッセンのこともきちんと見直したいと思いました。赤狩りの犠牲者としての不幸についてもですが、最晩年の『リリス』、あとハーレムにキャメラを持ち込んでシャーリー・クラークがドキュメンタリー・タッチで撮った快作『クール・ワールド』のもとになった戯曲を手掛けていたりと気になる存在なんですが、今回、『ハスラー』をまたみてこれまで以上にこの監督の底力に惹き込まれました。

© 1967 WBEI
『暴力脱獄』

★公式ページに寄せられたコメントでピーター・バラカン氏が「困った邦題にまどわされないで」と仰ってますが、原題は「Cool Hand Luke」、67年のこの必見作でのクールでホットな”偉大な反逆児″ぶりはいかがでしょう?

A:まさに懲りないへこたれない反逆魂を体現して、心底みてよかったなと思わせてくれる、そういう快作、そういう快演ですね。
笑顔の美しさ、不敵さ、もう百万遍語られてきたとは思いますがそれだけの価値があるニューマンの間違いなく代表作といっていいしょうね。
記憶が定かでないのでおそるおそるいいますが、昔、テレビで見た時はパーキングメーターを壊す冒頭のシーンがカットされていていきなりあの囚人たちが道路で作業をしている風景で始まったような気がするんですが、勝手な記憶かな。その後もその道の労役の風景は繰り返し出てきて印象的なんですが、これって、監視人のミラー・サングラスへの映り込みと共にコーエン兄弟映画にまさに映り込んでいませんか?
それとルークがテーブルの上に運び込まれてのびてる姿を俯瞰した場面は十字架の貼り付けのキリストにつながっていくようで、その後、神よと天を仰ぐことが幾度かある、そこにも「わが神わが神なんで私を見捨てたのですか」ってキリストが父なる神にささげるいのりの遠いこだまのようなものが感じられて、このルークって打たれ強いキャラクターの根底に犠牲の子羊としてのキリスト像があるのでは――なーんて勝手な妄想をふくらませても楽しめるように思いました。
あ、ニューマンのことに戻ると囚人服のブルーがよく似合う、そこもいいなあ。
この映画も脇役の良さが光りますが、ジョージ・ケネディはいうまでもなく、ハリー・ディーン・スタントンにデニス・ホッパーまでいてうれしくなります(笑)

M:デニス・ホッパーいたのですか?気がつきませんでした。囚人の1人でしょうか?
初めて全作品を観る方は、この『暴力脱獄』を一番好きになる方、多いのではないかと思います。
以前アメリカ人と話した際に、その時代のアメリカ人は誰でも知っている映画で、日本の我々の想像以上にアメリカでは超メジャーな映画だという事を知りました。
バラカンさんのいう邦題の残念さが、日本ではマイナーな存在の作品に追いやっていると思います。
『Cool Hand Luke』の原題も素晴らしく、ラロ・シフリンの音楽も素晴らしい。私が見たのは多分ビデオか、テレビの深夜放映だと思います。その時も作品の魅力に圧倒されましたが、改めて見ても、やっぱりいいです。
先ほども言った敗者の美学、不屈の精神、反逆の哲学が見事にメッセージとして提示されている上に、囚人の作業や食事のシーンなど細かな部分まで演出が行き渡っているので、映画的な魅力が満載の作品になっています。
ポール・ニューマンの出演作品では、トップにくる作品ですね。
後忘れてはいけないのが、刑務所のボス役のジョージ・ケネディですね。角川映画『人間の証明』にも出ていて、親日な俳優というイメージもありますが、ここではルークの良き理解者となるボス役を見事に演じています。
ボクシング、卵、最後の脱獄と、重要な場面で常にルークと関わってくるキャラクターですが、作品の中での存在感も高いですし、受けの芝居が素晴らしいと思いました。

『明日に向って撃て!』© 1969 Twentieth Century Fox Film Corporation

★アメリカン・ニューシネマの代表作にして西部劇の新たな地平を開いたヒット作『明日に向かって撃て』(69)もニューマンの代表作の一本ですが?

A:この頃から反逆児イメージにお茶目な二枚目半要素も積極的に取り入れ始めていましたね。レッドフォードも口ひげでちょっと美貌に汚しをかけてますが、ニューマンもおっさん要素でヨゴシ対決してる。その肩の力の抜け加減が相棒の恋人キャサリン・ロスの心をそわそわさせる、大人の男の磁力(笑)うまく老けていくニューマンの軌跡の第一歩がこのあたりにありそうですね。
監督ジョージ・ロイ・ヒル、そしてレッドフォードと『明日に向かって撃て』のトリオがまた組んだ『スティング』もそういう意味でナイスな方向を探り当てた一作だったと思います。
 アメリカン・ニューシネマ期にはもっとはげしくヨゴシをかけた「ロイ・ビーン」もあって好きでした。
アルトマンとの『ビッグ・アメリカン』『クィンテッド』もありますが、このふたり、アメリカン・ニューシネマの中心世代からいえばちょっと年上の兄貴世代に当たるのに反抗の精神で次世代の新しい映画の波と同調してみせましたよね。

M:この作品は、公開時には間に合っていないのですが、名画座三鷹文化まで、わざわざ観に行きました。今回のラインアップの中で唯一劇場で観ている作品です。
当時は自分の中のベスト1的な存在でした。
改めて観ると、音楽の使い方、写真の使い方など、ニューシネマらしい斬新な演出が際立っていると思いました。
大好きな作品という印象はもちろん変わりませんが、自分の中ではどちらかというとロバート・レッドフォードの作品という気持ちもあります。
レッドフォードも最大の当たり役ですから、当たり前ですが、『ハスラー』『暴力脱獄』とは逆にここではポール・ニューマンが受け役ですね。
この少し前にはフランス映画で『冒険者たち』がありましたが、バディ物や男2人に女性1人の関係性という設定のロールモデルになった作品でもあるのではないかと思います。
写真やストップモーションの使い方含めて、『明日に向かって撃て』に影響を受けている映画は世界中に数えきれない程あるのではないでしょうか。
そういう意味で、映画好きの方には必見の作品です。
音楽やビジュアルの見せ方も素晴らしく、アメリカンニューシネマという時代性もあり、60年代までの映画作りと、70年代以降の映画作りのブリッジになった作品とも思います。
ゴダールの『勝手にしやがれ』が、50年代と60年代のブリッジになったのと似た存在です。

『暴力脱獄』© 1967 WBEI

★4本まとめ見てみてポール・ニューマンの魅力、今、改めてどんなふうに総括したいですか? あるいはまたニューマンはトラッド系の着こなしでも注目されたり、ドレッシング等のビジネスでも知られてますね。監督作もある。今回の上映作以外でもニューマンをどんな存在として体験してきましたか?

A:着こなし面では『動く標的』あたりのスーツ姿やコートのスマートな纏いっぷりが印象に残っています。今回、『ハスラー』でかもを求めて場末のバーに行くときに来ているジャンパー、重ね着的な着こなしが今も使えそうなんて新鮮に見直しました。
スティーブ・マックィーンと共演した『タワーリング・インフェルノ』も話題になりましたが、マックィーン同様、ニューマンもカー・レースに熱中していた、主演作『レーサー』ではスタンド・インなしでレース場面の撮影に挑み、共演した妻のジョアン・ウッドワードのご機嫌を損ねたって、昔翻訳した評伝にあったのを思い出しました。
79年にはル・マンにも挑戦して第二位で完走したそうです。マックィーンと言いベルモンドといいこの時代のスターたちは体を張って挑戦すること好きですよね。
監督ニューマンについては去年、セルクルルージュでも取り上げた『まだらキンセンカにあらわれるガンマ線の影響』(72)が予想以上に面白くて、きちんと振り返ってみたいと思ったまままだ果たせてないんですが、きちんと見ようと思います。
ニューマンの存在は同時代で体験した成熟期と初めにもいったような若き日の後追い体験、若き日の方に好みとしては重きを置いてしまう所があるんですね。
それは今回の特集のコピーにもなってる”偉大なる反逆児″の部分にやっぱり惹かれてしまうからなのかもしれませんが、『ハッド』とかふっとみせるやわらかな表情もいいんですよね。
ニクソンのブラックリストにものった活動家としての顔とかもあって、一筋縄ではいかない存在ですがどこをとっても好感度が頭をもたげてくる。クールハンド・ルークじゃないけどそういういい奴としての記憶が刻まれていますね。

M:本当に好きな俳優で、映画を見に行き始めた時期に、『スティング』『我が緑の大地』『デッドヒート』『ロイビーン』など、公開作品を追いかけていました。
敦子さんの言う『動く標的』シリーズの私立探偵リュー・ハーパー(原作はアーチャー)や、『マッキントッシュの男』『引き裂かれたカーテン』のスパイサスペンスも好きでした。
ファッションはブルックス・ブラザーズのモデルみたいなトラッドスタイルが実に似合っていましたね。
活動時期が長く後年の『ノーバディーズ・フール』や『評決』も好きでした。
サンダンス映画祭でプレミア公開されたコーエン兄弟の『未来は今』は、あまりうまくいかなかった所感です。
カタルシスを常に持った俳優というのが、トータルの印象でしょうか。
政治的な活動、エコ的な活動、作品の選び方、全てにおいてです。

『熱いトタン屋根の猫』© 1958 WBEI

★今回の特集は新旧ファンそれぞれに往年の名画を体験する機会をという「テアトル・クラシックス」の第二弾となりますが、今後、こんなジャンルをとか、この人をとか、希望があればぜひ!

A:最初にもふれたようにテレビやビデオの画面でしか見る機会のなかった古典と銀幕で出会えるという機会は今後もぜひ続けていって欲しいと思います。ジャンルとしてはメロドラマ、ベティ・デイヴィスとか大きな画面で見てみたい。あるいは優等生的映画ばかりじゃなくスザンヌ・プレシェトとトロイ・ドナヒューが共演した観光ロマンス『恋愛専科』みたいなものもたまに見てみたいななんて思います。

M:今日本では忘れられている存在のポール・ニューマンにフォーカスしたのは、とても素晴らしいです。
次は当たり前な順番ですが、ロバート・レッドフォードやアル・パチーノに行って欲しいです。或いは監督ですね。アメリカの名監督だけど、日本では今あまり話題にならない監督特集。アーサー・ペンとか、ロバート・ワイズとか、久々エリア・カザンとかでしょうか。
それと一番は、ポール・ニューマン第2弾。話題にもでた『ハッド』『動く標的』『傷だらけの栄光』『我が緑の大地』そして『スティング』、改めて見たいですね。

© 1961 Twentieth Century Fox Film Corporation. 『ハスラー』

≪テアトル・クラシックスACT.2 名優ポール・ニューマン特集~碧い瞳の反逆児~≫ 
公式HP      
■配給: 東京テアトル
 シネ・リーブル池袋、新宿ピカデリーほか全国順次公開中です。

ジャン=ポール・ベルモンドワールド全開の傑作選3/Cinema Discussion-47

Jean-Paul BELMONDO (Gabriel Fouquet), Jean GABIN (Albert Quentin), Noël ROQUEVERT (Landru)
Réalisation: Henri VERNEUIL

公開映画を複数の視点からとらえ、映画評論の新しい手法を考えようとしてスタートしたセルクル・ルージュのシネマ・ディスカッション。
第47回は、今回が第3回開催となるジャン=ポール・ベルモンド傑作選3です。
この特集上映は、第1回第2回も、セルクルルージュでは大特集しているプログラムです。
セルクルルージュ・ヴィンテージストアでも、ベルモンド出演作品のレアなオリジナルポスターをアメリカとヨーロッパからコレクションし、発売しております。
上映作品は、『勝負をつけろ』、『冬の猿』、『華麗なる大泥棒』、『ラ・スクムーン』、『薔薇のスタビスキー』、『ベルモンドの怪盗20面相』、『パリ警視J』の7本です。
昨年ベルモンドは惜しくも昨年9月に逝去し、世界中から惜しまれ、フランスでは国葬級の葬儀が行われました。
そのベルモンドを偲びつつ、魅力を再発見したいと思います。
今回も映画評論家川口敦子と、川野正雄の対談形式でご紹介します。

『パリ警視J』© 1983 STUDIOCANAL – Tous Droits Réservés.

★今回は第3弾となったベルモンド傑作選、お薦めベストをそれぞれにあげるという形でいってみたいと思います。昨年9月に亡くなってはや一年が過ぎたベルモンド、その追悼の意も含めた今回のセレクション、ベルモンドというスターの多彩・才さを証明するようにお愉しみの様々な色を差し出してくれますね。そんな中でベスト3を選ぶとしたら、まずはお勧め第3位の映画は? その理由は?

川野正雄(以下M)
今回の傑作選3も、見事なラインアップで、どれも捨て難いのですが、個人的な思い出も含めて、初めてスクリーンでベルモンドを見た『華麗なる大泥棒』を挙げます。
見に行った日の事はよく覚えていて、友人達と新宿で見た後、中野の友人宅に行き、感想を語り合いました。
ともかくベルモンドのアクションと、ハンチングにトレンチコートや、革のボマージャケットなどスタイルも格好良く、そこから今日まで私がベルモンドフリークになるきっかけになった作品です。
多分3回目の鑑賞ですが、新たに見直した点も多いです。スタントではないとわかるように撮影されている土砂の落下シーンなどアクションの数々、フィアットでのカーチェイスシーンなど、今なら撮影の難易度も理解出来ます。
そしてオマー・シャリフ、ロベール・オッセン、レナート・サルバドーリなど渋い共演陣。当時もオマー・シャリフのエポレットもベルトもないトレンチコートがすごく素敵に見えて、真似をして、似たようなタイプのコートを学校用に買った事を覚えています。
オマー・シャリフが馬に乗る遊園地のシーンは、『アラビアのロレンス』を思い出してしまいました(笑)。
エンニオ・モリコーネのテーマ曲もいいですね。
話自体はシンプルですし、ベルモンド演じるアザドの内面に深く入るわけではありませんが、ベルモンドらしい軽妙洒脱さに溢れる作品と思います。
更にベルモンドとシャリフの会食シーンの料理、キャバレーシーンの前衛的なステージなど、映画的なスパイスもよく効いています。
アンリ・ヴェルヌイユ監督は、さすがの安定演出と思いますし、娯楽エンタメ映画としては、今回のラインアップでもピカイチの存在ではないかと思います。
この映画では、最高の“動”のベルモンドを、見る事が出来ます。

THE BURGLARS © 1971, renewed 1999 Sony Pictures Television Distribution (France) SNC. All Rights Reserved.

川口敦子(以下A)
『薔薇のスタビスキー』とどちらにするか迷いましたが、この際、やはり『大盗賊』以来の名コンビ、フィリップ・ド・ブロカ監督と組んだ『ベルモンドの怪盗二十面相』を挙げたいと思います。
口八丁手八丁のプレイボーイで洒落者で、お調子者、だけど憎めないキャラクターをこれでもかの弾けっぷりで見せる、体現するベルモンド、やっぱり好きだなあ、と。とにかく動き続ける、しゃべり続ける、その活力に呆気にとられていくうちに、うーんどうなんだ⁈ってプロットも許せる気になってくる、まさにベルモンドあってこそ成り立つ一作じゃないでしょうか(笑) とはいえエンディングにかけてのモン・サンミッシェルを遠くに置いたアジトでのおちのつけ方にただよう不思議に朗らかな諦観みたいなもの、そこにたちのぼるリリシズム――と、監督ド・ブロカの美点もそっと押さえられている気がするんですね。で、そのド・ブロカの『まぼろしの市街戦』でのヒロインが忘れ難いジュヌヴィエーヴ・ビジョルト、同じ76年にはデパルマ史上最大の傑作と呼びたい『愛のメモリー』での快演もある彼女の小動物的キュートさも見逃せないし、ルルーシュ映画でもおなじみ、ベルモンドとは公私にわたって相棒的関係だったようにも見えるラウール役シャルル・ジェラールの存在も要チェック。とにかくしかめつらしく論じるばかりが映画じゃないと、改めて思い直したくなる一作なんですね。

「怪盗二十面相」
©1975 STUDIOCANAL – Nicolas LEBOVICI. Tous Droits Réservés.

★続いて二番目にお薦めの一作とその理由は?

A:ここは迷いなく『勝負をつけろ』ですね。原作のジョゼ・ジョヴァンニ自身が監督を務めてリメイクというか自分の思うように撮り直した『ラ・スクムーン』も今回、上映されるので、もちろん見比べてみる楽しみもあります。見比べると堂々、スターの貫禄で”死神″と呼ばれた男を演じる『ラ・スクムーン』のベルモンド39歳もいいんですが、『勝手にしやがれ』でブレイクした直後のひょろりとやせた、か細くで繊細で、それだけに逆に非情の殺し屋ぶりがぞくりと目を撃つ『勝負をつけろ』のベルモンド28歳にはおおっと惹き込まれずにはいられないものがある。後半の山場、地雷撤去のスリリングな場面、その後の農場での平和な暮らしを夢見るくだり、そのために――と男の友情のノワールならではのすれちがい、涙腺刺激なプロットとエンディングの乾いた苦み、親友の妹との恋というあたりに関しても若さがぐっと効いてきて、後のカルディナーレの余裕のヒロインぶりより清純派クリスティーネ・カウフマンとの密やかな想いの交換、その純情が青春映画としての魅力も付加しているように思います。
あとベルモンドからちょっと離れますが、アメリカ兵崩れのギャングとして登場してくるミシェル・コンスタンタンの面構え、歩行の不気味な色気もお見逃しなくですね。『ラ・スクムーン』では親友役に昇格(?)してますが、私は断然、『勝負~』の彼が好きですね。突飛な連想ですがなんだか『牯嶺街少年殺人事件』のラッパズボンの不良がパーラーに入ってくるときの歩行の異様さと重なってきて、エドワード・ヤン、意識してた、見てた?と勝手にうれしくなったりもしてしまいます。うれしくなるといえば、クレジットタイトルにジャン・ピエール・メルヴィルのスタジオが記されていて、そういえばこのモノクロの世界、通じてなくもないなとこれまた勝手な連想ゲームを愉しんだりもできるんですね(笑)

「勝負をつけろ」
© 1961 STUDIOCANAL – Da. Ma. Cinematografica

M:私も今回見て、一番良い方向に印象が変わったのが『勝負をつけろ』です。
最初に見たのは30年くらい前ですね。レンタルビデオです。確か最近のドラマ『拾われた男』の舞台になった新宿TSUTAYAで借りたと思います。『冬の猿』も、そこでレンタルしたはずです。
同じ原作の『ラ・スクムーン』も選びたい作品なのですが、敦子さんが言うように、こちらは乾いた感じを、改めて感じました。この時代のベルモンドは、次の上映でリクエストしたい『墓場なき野郎ども』『いぬ』などノワールの傑作が多いのですが、『勝負をつけろ』も、間違いなく60年代初期のフレンチフィルムノワールを代表する傑作だと思います。
改めて見ての発見は、メキシコぽさと、ミシェル・コンスタンタンの存在感です。『ラ・スクムーン』ではメインキャストになっていますが、この悪党面は、一度見たら忘れられませんし、ジョセ・ジョバンニ原作作品には欠かせない俳優だと思います。
脱線しますが、コンスタンタンと、元広島カープの衣笠祥雄さんがよく似ていて、雑誌の企画で衣笠さんがイタリアンファッションを着る企画があり、まさにミシェル・コンスタンタンでした。
1961年のベルモンドは、6本も出演作があり、前にも話したと思いますが、売り出し中の若手スターという感じでの大活躍の年でした。その中でこのクールなラ・ロッカ役は、はまり役で、“静”のベルモンドの代表作の一つではないかと思います。
傑作選1で上映された同年の『大盗賊』では、フィリップ・ド・ブロカ監督とのコンビでの、ユーモアとアクションという新境地が生まれ、この1961年は、ベルモンドがヌーベルヴァーグの落とし子から、スター俳優へと進化していった年だったと考えます。
話を『勝負をつけろ』に戻すと、是非『ラ・スクムーン』と見比べて頂きたいと思います。
ベルモンドの早撃ちや二丁拳銃など、クールなガンマンぶりは、どちらもすごく魅力的です。緊迫感のある地雷取り外しシーンも見所です。後半の刑務所内の描写は、「勝負をつけろ」は、妙にリアルで、実際も同様なのかと思ってしまいました。

「勝負をつけろ」
© 1961 STUDIOCANAL – Da. Ma. Cinematografica

★一本に縛り込むのは至難の業と思いつつ、今回のベルモンド映画、いちばんお薦めなのは? その理由は?

A: これももう迷うことなく『冬の猿』できまりですね。待ってました! と掛け声かけたくなるファンも多いのではないでしょうか。叱られるのを覚悟でまたいえばカサヴェテス『ハズバンズ』と同様に女子供にはつけ入る隙の無い男の世界が、女子供にも迫ってくるんです(笑) 悪友の死に酔っぱらってロンドンまで飛んでっちゃう男たちも泣けるけれど、この冬に向かうノルマンディのさびれた海辺の町にやってきたやけのやんぱちの青春末期の青年に、禁酒の誓いを破って共に酔う老人、ふたりが(もうひとりの変なおじさんも忘れてはいけませんが)つぎつぎにあげる花火が寒空を染めて、諦めきれない若き日の夢を葬るふたりを照らし――なんて、こう書くとなんだかおセンチな”男のロマン″おしつけ映画みたいに響いてしまいますが、そうじゃない、ぎりぎりのところで感傷を退けるその持ちこたえ方がいい! これでもかと見せてしまう、描いてしまう昨今の映画が忘れた美学ですね。
そんな美学を裏打ちしているのが乾いたユーモアの感覚でもあると思うんですが、酔いどれ演技として道路の真ん中で疾走してくる車を牛に見立ててベルモンドが闘牛士然とケープならぬジャケットさばきをみせる場面にしても、デスパレートな男の心とそれを裏切る身体の醸すユーモアのバランスにも注目したい。ベルモンドの演技のセンスのよさがそういう点にも光っているように感じます。ちなみにこの道路での闘牛は原作者で脚本にも参加しているアントワーヌ・ブロンダン、酔いどれ作家でもあった彼の実体験だったようです。
もちろんジャン・ギャバンとベルモンドの顔合わせも味わいどころですが、新旧スターの顔合わせとしてギャバンは同じ頃、ドロンとも組んでいたわけですが、見比べるとドロンとベルモンドのそれぞれの持ち味がギャバンの傍らでよりはっきりと見えてくるようで面白い。で、もうひとり、要チェックなのはギャバンの奥さん役シュザンヌ・フロン、長いキャリアをもつ名女優ですが、ここで男たちを見守る妻の取り残され感、これも沁みますね。

「冬の猿」
© 1961 GAUMONT – Tous Droits Réservés.

M:同じく『冬の猿』ですね。ベルモンド作品は、選びきれないくらい好きな作品が並びますが、『勝手にしやがれ』と『冬の猿』は別格です。
傑作選1は『オー!』、傑作選2は『カトマンズの男』が一番好きな作品でしたが、『冬の猿』は、傑作選シリーズを通じてのマイベスト作品です。
30年くらい前にビデオを見た際、何でこの素晴らしい映画が未公開だったのかと感じました。
泥棒でも殺し屋でもない、酔っ払いの広告クリエイターのベルモンドが、じつに魅力的です。そしてジャン・ギャバン。老けて見えますが、実は当時まだ56歳。
突っ込み役のベルモンドと、受けのギャバン。同じ時代アラン・ドロンと共演した『地下室のメロディ』でもジャン・ギャバンは見事な受けの芝居をしていますが、若手とのコンビネーションが実にうまい。三船敏郎か、勝新太郎のような酔っ払い演技にも、可笑しさを含めて、圧倒されます。
30年ぶりくらいに見直して、改めて感じたのは、冒頭の爆撃シーンのリアルさ。ドキュメンタリー映像とのコンビネーションだと思いますが、後半の映画のトーンとは大違いの過酷さで、一気に緊張感が走ります。
このリアリティは、アンリ・ヴェルヌイユ監督が後年ベルモンドと組んだ戦争映画『ダンケルク』の演出にも繋がっていったと思っています。
初めて見た時の印象は、こんなにも心を爽やかにしてくれる映画があったのだと言う喜びと驚きです。
街の鼻つまみ者達が、最後に街の人たちに幸せな気分を与える。そして禁酒という呪縛との内面の葛藤や、別れた妻や娘への思い。『テオレマ』のような、突然の訪問者によって、変わっていく一家の表情。
酒場やホテルで繰り広げられる会話や騒ぎが、最後にはエモーショナルな景色となって昇華するアンリ・ヴェルヌイユ監督の演出は、実に繊細で、細部まで行き届いています。
モノクロの映像もまたいいですね。ベルモンドがシトロエンDSのタクシーに乗って、街にやって来た雨の夜や、街の通りの標識を象徴的に描いた場面は、特に素晴らしいです。
仏版ポスターのモチーフにもなっているベルモンドのマフラーも素敵です。
『ラ・スクムーン』の白いストールや、『華麗なる大泥棒』のアスコットタイも合わせて、ベルモンドは巻物の使い方もとても洒落ています。
いやいや、『冬の猿』の好きな点を挙げたらキリがありませんね。

「冬の猿」フランス版ポスター

★さて、3本といいましたが、もちろん好きとは言えないけれど映画としてはすごい、とか映画としては?マークだけれどさすがベルモンドな映画とか、あげられなかった映画についてこの際いっておきたいということがあればぜひ!

A:『去年マリエンバードで』とか『プロビデンス』とか一筋縄ではいかない映画で知られる監督アラン・レネが撮った『薔薇のスタビスキー』の”わかりやすさ″、これはちょっと興味深いですよね。ベルモンドというスターのキャラクターを稀代の詐欺師のカリスマ性に託して描くことで相変わらずスタイリッシュではあるけれど、より平明な語り口を手に入れているというのでしょうか。フランソワ・ペリエもですがやはりシャルル・ボワイエの往年の二枚目演技の残り香が香るあたりの活かし方もいいですね。

「薔薇のスタビスキー」
© 1974 STUDIOCANAL – Nicolas LEBOVICI – EURO INTERNATIONAL FILMS (Italie). Tous Droits Réservés.

M:先ほども少し言いましたが、『ラ・スクムーン』ですね。
『薔薇のスタビスキー』も、もちろん好きですが。こちらはトロッキーが出てくるので、少し前に公開されたジョセフ・ロジー監督、アラン・ドロン主演のトロッキー暗殺を描いた『暗殺者のメロディ』を思い出しながら見ていました。
サンローランの衣装も見事です。この映画が作られた時代は、『華麗なるギャッツビー』など、1930年代のデカダンス的な作品が多かったように思います。
敦子さんご指摘のようにわかりやすく、アラン・レネ監督ぽくはないですよね。
『ラ・スクムーン』は『勝負をつけろ』とはエンディングも違いますし、洒落者など、登場するサブキャラの存在感も強くなってきています。
より味付けが濃くなり、クールさよりもエモーショナルさを打ち出した演出になっています。よりドラマチックになっています。ベルモンドも殺し屋的な存在感になっていて、より犯罪者の香りが強くなっています。
そして、ミシェル・コンスタンタンと、クラウディア・カルディナーレという濃い顔の役者が、ガッチリとベルモンドを受け止めているのも見所です。
因みにエンディングだけで言うと、私は『ラ・スクムーン』の方が、少しだけ好きです。
そして2丁拳銃の格好良さ。これはもう千両役者!と叫びたくなる位に、惚れ惚れとします。

「ラ・スクムーン」
© 1972 STUDIOCANAL / PRAESIDENS FILMS (Rome). Tous droits réservés.
ラ・スクムーン フランス版ポスター

★改めてベルモンドの魅力を嚙みしめると映画の今、はたまた未来に受け継ぎたい彼の遺産とは?

A:映画の今や未来なんて、深刻に構えないノンシャランとした演技とキャリアの究め方かな。『冬の猿』はじめ8本の映画でベルモンドと組んだ監督アンリ・ヴェルヌイユは「彼は事前に脚本を読んだりしなかった、役作りに悩むなんてこともなかった、「いまの場面の僕、どうだった」なんて聞くこともなかった。演出に対して提案したりもしなかった」と振り返っているそうです。でもこの発言を引いた英ガーディアン紙の追悼記事はメルヴィルのこんな発言も引いています。「あの世代でもっとも熟達した演技者だった。どんな場面でも20通りの演じ方を差し出すことができた。そのどれもが正解だった」
なるほどなと、あの屈託なくでも繊細な演技を懐かしく思い返しています。

M:パンフレットの日本での特集上映に向けたベルモンドのインタビューが出ています。その中で出演作品には優劣をつけない回答がありました。これはとてもベルモンドらしいなと思いました。
『シラノ・ド・ベルジュラック』で来日した際のエピソードも話していて、見に行ったファンとしては、とても嬉しかったです。
で、未来に向けてですが、ベルモンドは唯一無二の存在で超える人も変わる人も出てこないと思います。ジャン・ギャバンも結局替わる人も出ていないですし、ベルモンドもドロンもギャバンにはなれなかったです。
ベルモンドの場合は、変幻自在なキャラクター造形と、アクションから恋愛映画までこなす芸域の広さ、更にフランス俳優らしい洒落っ気が、大きな魅力と思います。
それとやはりベルモンドはヌーベルヴァーグに始まり、フィルムノワール〜アクション〜コメディと、時代のニーズに応えていた面が大きかったと思います。
70年代〜80年代になっても、時代や観客のニーズに応えてのベルモンドであり、その時代その時代のフランス映画を象徴する存在でした。
今後フランスに現れるスターも、その時代のニーズに合った象徴になり、ベルモンドとは違う存在感になる筈です。
替わりはいないという事で、我々に出来る事は、ベルモンドの素晴らしさを日本の中で次の世代の人たちに伝えていき、『ルパン3世』のように、ベルモンドフォロワーが新しい解釈で作品を作っていく環境を生み出すという事ではないかと思っています。
そういう意味でこの傑作選シリーズは、本当に素晴らしい試みで続いていって欲しいです。

「華麗なる大泥棒」
THE BURGLARS © 1971, renewed 1999 Sony Pictures Television Distribution (France) SNC. All Rights Reserved.

★傑作選、次回にお願いしたいベルモンド映画は?

M:ベルモンド作品まだまだ沢山あります。
個人的なリクエストとしては、未見の『バナナの皮』、『黄金の男』、『コニャックの男』です。
初期フィルムノワールの傑作、ジョセ・ジョバンニ原作作品の『墓場なき野郎ども』、メルヴィルの『いぬ』も、そろそろ見たいですね。
そして戦争映画2本。アンリ・ヴェルヌイユ監督の『ダンケルク』。これは連合軍讃歌になってしまったクリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』をご覧になった方に是非見て頂きたいです。
米仏合作のオールスターキャストの大作ですが、『パリは燃えているか』。自分の第二次世界大戦に対する目線も変わり、改めて見たい作品です。ハリウッドスターのカーク・ダグラスは、ベルモンドの共演を実現したくこの作品に参加したと言われています。
ベルモンド作品とは言い難いかもしれませんが、是非スクリーンで観たいですね。

A:前にもいった気もしますが『雨のしのび逢い』『ふたりの女』『ビアンカ』『女は女である』『モラン神父』の頃の、ルパン3世的おとぼけキャラクターを輝かせる前のベルモンドの胸キュンな存在感もぜひフィーチャーしてみていただきたいと思います💛

「薔薇のスタビスキー」
© 1974 STUDIOCANAL – Nicolas LEBOVICI – EURO INTERNATIONAL FILMS (Italie). Tous Droits Réservés.

ジャン=ポール・ベルモンド傑作選3

9月2日より新宿武蔵野館他全国絶賛公開中です。

人はそれと知らずに、必ずめぐり会う。たとえ互いの身に何が起こり、どのような道をたどろうとも、必ず赤い輪の中で結び合うーラーマ・クリシュナー (ジャン・ピエール・メルヴィル監督「仁義」*原題"Le Cercle Rouge"より)

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