中野裕之監督と、青森山田高校男子新体操部荒川栄監督
中野裕之監督のノンフィクションフィルム「Flying Bodies」は、お陰さまで大変好評で、テアトル新宿での上映は、本日より2週間の上映延長となりました。
立川シネマシティ2で12月12日(木)19時半より開催しますスペシャルイベント・スクリーニング も、出演者が決定し、チケットも残り少なくなってきております。
尚12日当日は、中野監督がある大物ミュージシャンとのコラボレーションで、モンゴルで撮影した新作ショートフィルムが、本邦初公開として同時上映される事になりました。
代々木国立競技場での本番撮影時のオープニングは、涙が溢れてしまい、カメラをうまく動かせなかったという中野監督のこの作品にかける熱い想いを、メッセージとして頂きました。
作品を既にご覧になった方、これからご覧になる方、そして今はご覧になる予定のない方も、是非このメッセージを読んで頂ければと思います。
中野監督は、青森大学新体操部の部員達と正面から向き合い、狙って撮るドキュメンタリー作品ではなく、純粋な記録映像として、商業ベースでは考えれない程の時間をこの作品に注ぎ込み、素晴らしいノンフィクションフィルムを作り上げました。
以下中野裕之監督からのメッセージです。
僕は音楽が好きでミュージシャンになろうと
思って青春時代を過ごしました。
そして、自分の才能のなさは自分が一番良く知っている
ということで、映像の世界に方向を変えました。
そこで、僕の生き方を導いてくれた上司に出会いました。
残業はするな、仕事は早く終わらせて、面白いことに時間を
かけろ。おかげで、早く仕事を終わらせて遊びまくったおかげで
いろんな世界の人とも知り合ったり、出会ったりして
今の自分ができたと思っています。
今回、青森に行って、僕がギターに没頭していた青春時代の代わりに
体育館の中で青春を過ごす男子新体操部の学生さんたちに
出会いました。
純粋で、指導の先生や監督の言うことを素直に聞く統制のとれた
体育会系の若者。
そこに、外人ですよ。しかもスパイダーマンを合成じゃなくて
劇場でビュンビュン空中を飛ばす舞台の演出をやったような
外人がきて、無茶なことを言うんです。
それをやったらぶつかるでしょ、ああ、ほらぶつかった。
そして、いつのまにか、それが形になっていくんです。
3ヶ月くらい観察していて、
気づいたことは、ただ、ひたすら、集中してそのことだけを
やることが許される時には、それをまっしぐらに追求して
いくと、大変だし、つらいけど、やっぱり、なにか精神を
成長させるような山を超えることができるということです。
これは、ものを作ったり、なにかの仕事をやれば
体験できることでもありますけど。
青森大学男子新体操部はとにかく特別なんです。
選ばれた能力をさらに磨いてのみ到達することができると
言う意味では、歌を歌える人やギターがうまい人は1億人くらいいた
としても、必ず、人を感動させることができる人は少ないという
事実や、1000人デビューしてCDを出しても
10年後には2人くらいしか残っていないということで、
夢があっても挫折があるという意味では、芸能の世界もスポーツも
はかなくてきびしい世界なんですが、
映画、「ラストサムライ」で、最後にいい台詞があって、
「どうやって死んだじゃなくて、どう生きたか教えてくれ」
ってあって、
まさしく、生きているその瞬間が輝く時のために
苦労があって、怪我して挫折したとしても、
一度でもそのすばらしい輝きに到達した瞬間を体内に
覚えさせたとしたら、その人はその後に運動できなくても
違う人生を歩む時に、乗り越えていく力を持っているし
その子孫にDNAに記録されて伝わっていくんだと思います。
そんな輝く瞬間を撮れたことに感謝しています。
中野裕之 Hiroyuki Nakano
シェフのマルセロさんと、マネージャーの麻由子さんご夫妻。
セルクル・ルージュでは、音楽や映画だけではなく、食にもフォーカスをしていきます。
私達なりの視点で、お店や飲食に携わる仕事をしている方々を皆様に紹介していきますので、読んで頂いた方の食に関する選択肢が、少しでも増えれば嬉しいです。
1回目は、目黒通りにあるイスラエルビストロ、ピンクカミラです。
イスラエル(ユダヤ)料理は、都内に5〜6件しかないので、あまり馴染みがないかもしれません。また中東系というと、土着的なエスニック料理店を想像しがち(それも悪くないですが)ですが、このピンクカミラに入ると、ビストロというだけあって、洗練された雰囲気にまず驚かされます。まず目につくのが、カウンターの上にディスプレイされたイスラエルワインのラインナップです。またカウンターの上にはゴッホの絵がデザインされたウォッカが並んでいます。
美しくディスプレイされたイスラエルワイン。
シェフのマルセロさんは、イスラエル大使館などのケータリングサービスをやっていたのですが、要望が多く、2年前にこのビストロを開店しました。
マルセロさん自身はカナダのモントリオールとイスラエルの二つの文化圏で育ち、奥様でお店のマネージャーでもある麻由子さんともカナダで出会ったそうです。モントリオールといえば、カナダの中でもフランス文化が強い地域ですから、ビストロという業態になったのも、自然の成り行きかと思います。
マルセロさんの料理も、お父様のルーツであるアフリカ系と、お母様のルーツであるヨーロッパ系のエッセンスが、とてもうまくブレンドされています。
ユダヤ系の民族は、中東だけではなく、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカなど、世界各地に分散
している為、色々な国のエレメンツがミックスされて成熟しているのが、現代のイスラエル料理のようです。
イスラエル料理の前菜といえば、まずはこのディップセットです。マルセロさん手焼きのピタファと一緒に食べますが、お祖母様のレシピだというナスのディップのまろやかさが絶品です。最近はひよこ豆のディップ=フムスを作るレストランが、都内では多くなってきましたので、初めて行く方でも、食べやすいメニューだと思います。
ひよこ豆、ナス、トマトのディップセット。
もう一つイスラエル料理で割とポピュラーなのが、ひよこ豆のコロッケのようなファラフェルです。ピンクカミラのファラフェルは、コリーアンダーを使った特別なレシピで作られていますが、スパイしーかつクリーミーで、とてもやさしい味です。
イスラエルの代表的な料理、ファラフェル。
今回初めて食べたのが、このタプリサラダ。クスクスみたいなタプリという麦と、イタリアンパセリをふんだんに使ったシンプルなサラダですが、何となく外国で食事をしている気分になります。
イスラエルの代表的なサラダ、タプリサラダ。
いつもメインで頼むのが、シャクシューカ。ピタファと一緒に食べる少しスパイシーな煮込み料理です。
スパイスと卵のコンビネーションが絶妙で、他の料理と同じように驚くほどまろやかに仕上がっています。
この他メインには熟成したエイジングビーフやシシカバブー、ラムチョップなど、豊富なお肉料理があります。
卵とトマトとスパイスを煮込んだシャクシューカ。
冒頭でも紹介したイスラエルワインのリストです。大使館から提供されたそうですが、ここではかなりの種類のイスラエルワインが揃えてあります。
イスラエルのワインの歴史は古く、モーゼの時代〜旧約聖書の紀元前2000年頃には、ワイン作りが盛んになっていました。その後宗教上の理由で19世紀までは積極的にワインを生産する事がなかったのですが、近年はワインの生産や輸出にも力を入れているようです。旧約聖書時代はローマに大量に輸出されていたそうですが、現代でもヨーロッパのワインには決してひけを取らないクオリティです。日本ではここでしか飲めない銘柄も、多くストックしています。
イスラエルのワインリスト
料理や飲み物も素晴らしいですが、お店の居心地が良いのは、マルセロさんと麻由子さんの明るいキャラクターに依る部分も大きいです。
ピンクカミラの魅力は、大人が落ち着いてエキゾチックな料理を楽しめる店であり、様々なゲストの嗜好、ヘルシーな食を好む方、肉をしっかり食したい方、スパイシーでエスニックな料理を好む方、アルコールを中心にタパス的な料理を楽しみたい方などに、柔軟に対応出来るメニューを用意してある点にあると思います。
これは、多様な文化がミックスされた生活環境の中から生まれたイスラエル料理の本質にも通じるものです。
また料理自体も洗練されていて、クセやアクが強くないので、イスラエルや中東系の料理が初めての方でも、食べやすいのではないかと思います。
Have a good time at Israeli Bistro!
ピンクカミラ
03-6417-9888
〒153-0064
目黒区下目黒1-5-16 本田ビル2F
投稿ナビゲーション
人はそれと知らずに、必ずめぐり会う。たとえ互いの身に何が起こり、どのような道をたどろうとも、必ず赤い輪の中で結び合うーラーマ・クリシュナー (ジャン・ピエール・メルヴィル監督「仁義」*原題"Le Cercle Rouge"より)