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Antique furniture from mid century by Ready Steady Go

EGG GARDEN CHAIR
EGG GARDEN CHAIR
EGG GARDEN CHAIR を畳んだ状態
EGG GARDEN CHAIR を畳んだ状態

ミッドセンチュリー(1950~60年代)は、あらゆる分野で、現代につながるデザインが確立した時代と言えると思います。
ファッション然り、車などのインダストリアルデザイン然りですが、当時のプロダクトデザインは、現代でも魅力的なポップなデザインや、アヴァンギャルドなデザインが溢れています。
英国産クローズを中心にしたクールなインポートショップ、レディ・ステディ・ゴーが、これまで集めて来た1950〜60年代を中心にしたアンティーク家具を、初めて売り出す事になり、セルクルルージュに、そのコレクションを公開してくれました。
冒頭の写真の卵型ガーデンチェアは、ミッドセンチュリーを象徴するような、ポップなデザインです。

このコレクションの多くは、ロンドンのオークションボナムスで落札したものです。
ボナムスは、1793年に設立された英国の由緒あるオークションハウス。
パンフレットのカバーを見れば、扱っている商品のデザイン性を感じて頂けると思います。

BONHAMSのパンフレット
BONHAMSのパンフレット

それでは、レディ・ステディ・ゴー秘蔵のアンティーク家具をご紹介しましょう。

1964年ローマのホテル パルコ プリンシピのロビーで使われていたジオ・ポンティのアームチェア。
ジオ・ポンティは、イタリアモダンデザインの父と言われているミッドセンチュリーを代表するデザイナーです。

GIO PONTI  HOTEL Parco dei Principi
GIO PONTI  HOTEL Parco dei Principi
GIO PONTI
GIO PONTI

こちらは1951年から生産されているデンマークのHans J Wegnerのベアチェアです。

Hans J Wegnerのベアチェア
Hans J Wegnerのベアチェア
Hans J Wegnerのベアチェア2脚目
Hans J Wegnerのベアチェア2脚目

魅惑的なデザインで知られるファルナゼッティのテキスタイルを使ったジオ・ポンティの椅子は、見事なコンビネーション。ジオ・ポンティ1957年のプロダクトです。

FORNASETTIのテキスタイルの椅子
FORNASETTIのテキスタイルの椅子
FORNASETTIはテキスタイルが特徴的
FORNASETTIはテキスタイルが特徴的
グリーンのカバーに隠れていますが、これもFORNASETTIのテキスタイルを、使っています。
グリーンのカバーに隠れていますが、これもFORNASETTIのテキスタイルを、使っています。

カラフルな色使いやデザインが、ミッドセンチュリーを強く感じさせる雑貨もあります。

RENZO PAVANELLO
RENZO PAVANELLO
彩りが鮮やかな小皿セット
彩りが鮮やかな小皿セット

最後に1980年代の、トム・ディクソンの鉄製キャンドルスタンドです。今や大御所のトム・ディクソンのデビュー時代の作品。彼が得意とした鉄素材の廃材リサイクルと思われます。

TOM DIXONのキャンドルスタンド
TOM DIXONのキャンドルスタンド

80年代トム・ディクソンは、オーガスト・ダーネル(キッド・クレオール)プロデュースのダンスバンド、ファンカポリタンのメンバーでもありました。
ファンカポリタンは、当時今野雄二さんやブライアン・フェリーも推していた英国のグループ。NY的なエッセンスを持ったファンクバンドで、ファンカラティーナブームに乗って1枚グルーヴィなアルバムを出しましたが、残念ながら短期間で解散。トムは、このビデオでは、楽しそうにベースを弾いています。

こちらに掲載しています家具のお問い合わせ先は、レディ・ステディ・ゴーの後藤田さん(kazu@ready-steady-go.co.jp)となります。

stile latino (スティレラティーノ) スミズーラ#2 ブラウンシャークスキンダブルブレステッドスーツ 

黄色ラベル

今年は大雪で例年通りには行きませんが、毎年節分を過ぎ、日が少しずつ長く、力強く感じられてくると、一年で一番寒い時期というものの、重いコートの気分ではなくなってきます。新しいシーズンに想いを馳せることも多くなるのではないでしょうか?

ショップでのシーズンの立ち上がりもどんどん早まっている中、2月には季節を飛び越して盛夏のスーツが店頭に並びます。(私も早々にラティーノのレディメイドで、盛夏にふさわしいごくウエイトの軽い、きれいなブルーのピンヘッドのダブルブレステッドスーツを調達しました。)一方フルオーダーで気合を入れてスーツを仕立てる時は、どうしても英国的なウエイトのある仕立て栄えのする生地を選びたくなります。ここの季節のハザマを埋めるスーツを買い増そうというのが今回のス・ミズーラの二つ目のテーマとしました。

というわけで、3シーズン向けのウエイトのあるトニックかシャークスキンのグレーをというのが当初のイメージでした。ヴィンチェンツォの用意して生地の中ではカシミア混のシャークスキンが気に入りました。ネイビー、ミディアムグレー、ダークブラウンのバリエーションでした。それに加えBEAMSの持っていたグレーのバーズアイも含め生地選びに付き合ってくれたプリモと話しをしました。

プリモはバーズアイについては、「とてもいいけれど、昼間の服だ。シャークスキンのほうが昼間から夜の食事までエレガントだ」とシャークスキンを押しました。それではグレーのシャークスキンと決めかけたのですが、その日もブラウンのストライプを着ていたプリモは、「ブラウンは淡いピンクとかの組み合せもいい。秋だけの色ではない」というアドバイスをくれました。確かにブラウン系のスーツを来たプリモの姿を写真で見てきたように思います。

自分の中では、あまりピンクの組合せはしないだろうと思いつつ、ダークブラウンのダブルブレストに白シャツ、あえてシルクニットの黒タイでエレガントに、ベージュのシルクニットタイと素足にスリッポンで、と着こなしを考えました。

自分のスタイルを確立しつつも、服についての固定的な観念を捨て、人との関係性において自分の枠を少し広げるというのが、こうした顔の見える服作りの面白さだと思います。また、単に服を考えるのでなく生活の仕方を考えることがスタイルだと感じました。イタリア人の言うことがすべてだとは思いませんが、スタイルへの情熱を共感できたことを大変うれしく思いました。

ラティーノシャークスーツ

メジャーリングはヴィンチェンツォが担当。ジャケット同様、サンプルゲージから身幅をつまみ、着丈を1cmつめ攻めます。パンツは秋冬からのパターンを元にしました。これまでのパターンよりワタリがすっきりして、すそ周りもふくらはぎの干渉がなくクリースがきれいに見えるパターンだと思います。すそ幅は靴のサイズを聞かれ、レディメイドよりさらにつまんでいました。(上がりで確認すると17.5cm)

あがったスーツは、詰めた着丈と、パンツのワタリのからすそへのタイトさがあいまって、『エレガントかつモダン』を体現するものになっていました。ヴィンチェンツォには、お礼の気持ちをこめてクリスマスプレゼントとしてラティーノのように渋い色味の和ろうそくを選んで贈りました。クリスマス明けに「とても特別なアトモスフェアを醸し出したよ」というお礼のメールをもらいました。Grazie mille!

(i-phoneの写真は実際より黄色みが強く写っています。念のため。)