昨年ジェームス・ブラウンを描いた映画『ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男』を、Cinema Discussionで取り上げましたが、今年は同じジェームス・ブラウンのドキュメンタリー映画『ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』が公開されます。
ジェームス・ブラウンのファンが多いセルクルルージュでは、次回のCinema Discussionで取り上げる予定です。
その前にセルクルルージュでも御馴染みの映画監督中野裕之さんに、映画を見た感想を頂きました。
中野さんが昔からJB好きなのは知っていたので、今回はお願いした次第です。
「ミスター・ダイナマイト」
ファンクという音楽のジャンルを生み出した男、
それがジェームズ・ブラウンだ。という事がこの
映画を見るとわかる。
80’sのヒップホップのサンプリングやパリの
ラジオノヴァなどで繰り返し流されるレアグルーブの
波にのって僕もジェームス・ブラウンを知った一人だ。
なので、もうこの映画は知らなかったJBの宝庫だった。
ミック・ジャガーが製作にもクレヂットされていて
本人がインタビューにも出演している。
まあ、とにかく、ショーというかダンスと
音楽っていうスタイルもJBが作ったわけだから
マイケル・ジャクソンを始めとするフォロワーが
多いのはもちろん、音楽的にも今でもブレイクビーツと
いえば、必ず定番でかかるトラックの秘話も大変面白かった。
フレッド・ウエスリーとかボビー・バードとかメイシオ・パーカーとか
クライド・スタブルフィールドとか、ピィーウィー・エリスとか
すごいメンバーのバンドで『コールド・スウェット』くらいまでやってて
その後、ブーティコリンズたちの新若者バンドになったことなんて
全く知らなかったし。
レコードでしか知らなかった彼らの事が彼ら自身の言葉で語られている
この映画は音楽ドキュメンタリーの中でもかなりイケてると思う。
僕はディーライトの『Groove is in the heart』のクリップの撮影で
メイシオとブーティと撮影したけど、その時の興奮は一生忘れないし
『Good Beat』で再びブーティを撮影したときに覚えてくれてたのも
すげえ嬉しかったなあ。
それがJBだったらどんだけうれしいかって、話だね。この映画は(笑)
けっこう社会派だったってことも映画を見て知ったし、
あの時代の黒人のヒーローだったんだな、音楽以外でも。
ていうか、まあ、見たことない若いJBのカッコイイことったら!
70’sのヒゲJBとか今まで見たことないけどかなりゲイっぽいルックスで
笑ったぜ!!とかね。見るべし!!
by Hiroyuki Nakano 中野裕之
『ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』
2016年6月18日(土)角川シネマ新宿、渋谷アップリンク、吉祥寺オデヲンほか全国順次ロードショー