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Samuel Smith Winter Welcome Ale 2013-2014

Winter Welcome Aleをご存知でしょうか? クリスマスシーズン(欧米で言うところのHoliday Season)に向けてアメリカなどで毎年11月ごろから限定販売される特別なエールです。長く寒い夜に暖かな部屋でゆっくり楽しむ濃いビールといった感じです。
Bottle
このWinter Welcome Aleを製造するSamuel Smithは、イングランドはヨークシャー州タドカスターにある創業1758年の歴史ある小さなブリュワリーです。最近イギリス各地やアイルランドのシングルモルト系醸造所で話題になっている巨大資本による買収にも応じず、今も単独経営でがんばっている醸造所です。厳選された素材と敷地内の井戸からくみ上げた天然水を200年以上も使い続け、蓋のない四角い石釜で作る昔ながらの伝統的製造法(ヨークシャー・スクエア)を守り、フルボディで良質なビールを製造しています。
ペールエール、オートミールスタウトなど、ブリディッシュ・ビールに詳しいお店に行けばここのビールを日本でも飲む事ができます。しかし、このWinter Welcome Aleは限定販売ということもあり、なかなか日本国内でお目にかかる事ができません。先日もSamuel Smithの日本輸入代理店に問い合わせた所、まだ日本では流通していないとの事。しかし海外でこれらの季節商品が盛り上がっている状況から、将来的には日本でも取り扱いを始める可能性もあるとのご返答を頂きました。
肝心の中身ですが、クリーミィーな泡で、少しだけ濃い琥珀色のエールらしい微炭酸はコクがあり、ほどよい苦みとその後に甘みも感じられます。微かにフルーティな酸味もありますが、あまいカラメル系モルトの風味はもっと濃いお酒の印象です。その他のエールより味、香りともに濃く、グビグビ飲むタイプではありません。先にも書いたようにゆっくり楽しむためのエールです。何よりアルコール度数が通常より少し高い6%なので、おいしいからと言って調子にのって大量に飲むと翌朝えらい目に遭います。
nakami
実はこのエールとの出会いは、10年前にさかのぼります。
PHISHの記事で登場したTimとツアーを追いかけているときに、彼から教わったのが最初でした。ショウの後、興奮ぎみの気分をゆったりと落ち着かせたい時に勧められたのを覚えています。当時は1パイント瓶(550mL)しかなかったので、1本飲んだ後はそのままベットで撃沈。思い出の味です。
先日NYで僕らがホテルの部屋に入った際、備え付けの冷蔵庫を開けると、そこには今年のWinter Welcome Ale(小瓶335mL)24本入りカートンが冷やされていました。Timからのクリスマスプレゼントです。Thanks, Tim! しかしその晩久しぶりの再会で盛り上がって飲み過ぎてしまい翌日は時差ぼけと二日酔いで一日中グラグラでした。
Label
このWinter Welcome Aleのもう一つの楽しみはラベルです。中央のイラストが年ごとに変わるのでコレクションしているファンも多いそうです。去年の絵柄はラグビーでした。今年は小さい瓶だったのでラベルの剥がし方が美しくないですが、今シーズンと10年前のものを並べてみました。発売年や容量表記の違い、アメリカの輸入代理店の住所が微妙に変わっていたりと細かな表記が異なっていますがイラスト以外の基本デザインは変わりません。カラフルですがイングランドらしい趣あるクラッシックでいいラベルです。
並行輸入などで国内に持ち込んでいるお店があるかもしれません。
もしどこかで見つけたら是非一度お試しあれ。美味しいですよ。

Israeli Bistro Pink-Camila

シェフのマルセロさんと、マネージャーの麻由子さんご夫妻。
シェフのマルセロさんと、マネージャーの麻由子さんご夫妻。

セルクル・ルージュでは、音楽や映画だけではなく、食にもフォーカスをしていきます。
私達なりの視点で、お店や飲食に携わる仕事をしている方々を皆様に紹介していきますので、読んで頂いた方の食に関する選択肢が、少しでも増えれば嬉しいです。
1回目は、目黒通りにあるイスラエルビストロ、ピンクカミラです。
イスラエル(ユダヤ)料理は、都内に5〜6件しかないので、あまり馴染みがないかもしれません。また中東系というと、土着的なエスニック料理店を想像しがち(それも悪くないですが)ですが、このピンクカミラに入ると、ビストロというだけあって、洗練された雰囲気にまず驚かされます。まず目につくのが、カウンターの上にディスプレイされたイスラエルワインのラインナップです。またカウンターの上にはゴッホの絵がデザインされたウォッカが並んでいます。
美しくディスプレイされたイスラエルワイン。
美しくディスプレイされたイスラエルワイン。

シェフのマルセロさんは、イスラエル大使館などのケータリングサービスをやっていたのですが、要望が多く、2年前にこのビストロを開店しました。
マルセロさん自身はカナダのモントリオールとイスラエルの二つの文化圏で育ち、奥様でお店のマネージャーでもある麻由子さんともカナダで出会ったそうです。モントリオールといえば、カナダの中でもフランス文化が強い地域ですから、ビストロという業態になったのも、自然の成り行きかと思います。
マルセロさんの料理も、お父様のルーツであるアフリカ系と、お母様のルーツであるヨーロッパ系のエッセンスが、とてもうまくブレンドされています。
ユダヤ系の民族は、中東だけではなく、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカなど、世界各地に分散
している為、色々な国のエレメンツがミックスされて成熟しているのが、現代のイスラエル料理のようです。

イスラエル料理の前菜といえば、まずはこのディップセットです。マルセロさん手焼きのピタファと一緒に食べますが、お祖母様のレシピだというナスのディップのまろやかさが絶品です。最近はひよこ豆のディップ=フムスを作るレストランが、都内では多くなってきましたので、初めて行く方でも、食べやすいメニューだと思います。

ひよこ豆、ナス、トマトのディップセット。
ひよこ豆、ナス、トマトのディップセット。

もう一つイスラエル料理で割とポピュラーなのが、ひよこ豆のコロッケのようなファラフェルです。ピンクカミラのファラフェルは、コリーアンダーを使った特別なレシピで作られていますが、スパイしーかつクリーミーで、とてもやさしい味です。

イスラエルの代表的な料理、ファラフェル。
イスラエルの代表的な料理、ファラフェル。

今回初めて食べたのが、このタプリサラダ。クスクスみたいなタプリという麦と、イタリアンパセリをふんだんに使ったシンプルなサラダですが、何となく外国で食事をしている気分になります。

イスラエルの代表的なサラダ、タプリサラダ。
イスラエルの代表的なサラダ、タプリサラダ。

いつもメインで頼むのが、シャクシューカ。ピタファと一緒に食べる少しスパイシーな煮込み料理です。
スパイスと卵のコンビネーションが絶妙で、他の料理と同じように驚くほどまろやかに仕上がっています。
この他メインには熟成したエイジングビーフやシシカバブー、ラムチョップなど、豊富なお肉料理があります。

卵とトマトとスパイスを煮込んだシャクシューカ。
卵とトマトとスパイスを煮込んだシャクシューカ。

冒頭でも紹介したイスラエルワインのリストです。大使館から提供されたそうですが、ここではかなりの種類のイスラエルワインが揃えてあります。
イスラエルのワインの歴史は古く、モーゼの時代〜旧約聖書の紀元前2000年頃には、ワイン作りが盛んになっていました。その後宗教上の理由で19世紀までは積極的にワインを生産する事がなかったのですが、近年はワインの生産や輸出にも力を入れているようです。旧約聖書時代はローマに大量に輸出されていたそうですが、現代でもヨーロッパのワインには決してひけを取らないクオリティです。日本ではここでしか飲めない銘柄も、多くストックしています。

イスラエルのワインリスト
イスラエルのワインリスト

料理や飲み物も素晴らしいですが、お店の居心地が良いのは、マルセロさんと麻由子さんの明るいキャラクターに依る部分も大きいです。
ピンクカミラの魅力は、大人が落ち着いてエキゾチックな料理を楽しめる店であり、様々なゲストの嗜好、ヘルシーな食を好む方、肉をしっかり食したい方、スパイシーでエスニックな料理を好む方、アルコールを中心にタパス的な料理を楽しみたい方などに、柔軟に対応出来るメニューを用意してある点にあると思います。
これは、多様な文化がミックスされた生活環境の中から生まれたイスラエル料理の本質にも通じるものです。
また料理自体も洗練されていて、クセやアクが強くないので、イスラエルや中東系の料理が初めての方でも、食べやすいのではないかと思います。
Have a good time at Israeli Bistro!
ピンクカミラ
03-6417-9888
〒153-0064
目黒区下目黒1-5-16 本田ビル2F