MIX CLOUD LCR DISCO-5

4月のLCR Disco-5をMIXCLOUDにUPしました。
下記LCR Disco-5のリンクボタンを押して頂くと、
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楽しんで頂けたら幸いです。

LCR Disco-5
shuroom

1. Bette Davis Eyes / KIM CARNES 1981
全米9週連続1位という記録的大ヒット曲の尺はLPと同じ12inch。ハスキーな歌声と、当時新しかったちょっとエレクトロっぽいサウンドが不思議な相乗効果を生んでいます。ハンドクラップが主役な曲でした。

2. Sending My Love (instr.) / PLEASURE 1982
オレゴン州ポートランド出身の7人組ファンクバンド。7枚目にしてラストアルバムからのシングルカット。彼らをはじめ多くのファンクバンドが80年代に入りスムースなBoogieを演奏するようになって行きます。一見地味な印象ですが演奏は一級品です。

3. Never Say / KEVIN McCORD 1985
名曲Spread LoveのAl Hudson & PartnersやONE WAYに在籍したベーシストKevin McCordの1985年のマイナー12inch。アーバン・サウンドという言葉はこんな曲のためにあるかのようなオシャレなFusion Discoです。

4. PAT METHENY GROUP lip Away / PAT METHENY GROUP 1989
ミナス3部作の2作目にあたるアルバム「Letter from Home」より。ブラジルだけど海じゃない、ミナス地方独特の浮遊感がありながらどこか牧歌的で永遠の広がりを感じさせるこの曲を25年間聴き続けていますが今もまったく色褪せません。途中PatとLyle Mays(Keys)の掛け合いが美しい。これを聴いても二人の相性が至高なのがわかります。また一緒に演奏してくれる事を切に望みます。

5. Brazilian Love Affair / GEORGE DUKE 1980
去年8月5日に惜しくもこの世を去ったジョージ・デュークがブラジル音楽に傾倒していた時期のアルバムからのシングルカット。Discoヒットを数多く持つ彼ですが、1971~1975年の間Frank Zappa BandのKeysとして活躍した実力派ミュージシャンでもあります。Zappa卒業生=凄腕ミュージシャンは師匠の事を悪く言う人はいませんが、彼だけは「あのおっさんは何考えてんだかさっぱり分らなかった」と毒を吐いてるインタビューを読んだ事があります。

6. Busy Body / RICHIE ROME 1980
フィラデルフィア出身のプロデューサー、オーケストラ・アレンジャーの唯一のアルバム「Deep」より。他の曲はもっとメロウでムーディーなのですがこの曲だけもろディスコですいません。

7. Slide / RAH BAND 1981
The Beatlesをはじめ、1960年代後半から数々のメジャー・アーティストの作品に参加しているストリングス・アレンジャーRichard Anthony Hewsonのプロジェクト。本名の頭文字3文字でRAH BAND。この人の作品がわりと印象に残るいい曲が多いのはやはりアレンジの良さなのでしょう。SAXが主役のJazz Funkながら、バックの音はスペーシーです。

8. Legs (special dance mix) / ZZ TOP 1983
1983年ビルボード最高位8位の大ヒット、当時この曲が大嫌いでした。ZZ Topと言えば、南部の泥臭いブルースロックが売りの硬派なイメージが好感持てたのに、突然のこれです。正直「ZZ Top終わったな。」と思いました。30年経った今改めて聴くと以前とはまた違った印象に聴こえます。さすがに「Jesus Just Left Chicago」と同じバンドだとは思えませんが、うしろのビコビコが気持ちよくてズルいです。

9. Turas (instr.) / AMNESIE with THE NICOLOSI FAMILY 1983
1983年頃はイタロの大漁期で、70年代後半のドナ・サマー/ジョルジョ・モロダーに代表されるミュンヘン・サウンドからの流れでシークエンサーが大活躍しています。みんなピコピコ・ビコビコです。Tony CarrascoプロデュースのイタロディスコクラシックB面インスト。力強いサウンド・プロダクションと後半の女性ヴォーカルは高揚感いっぱいです。

10. Willie and the Hand Jive / RINDER & LEWIS 1979
数々の怪作を送り出したプロデュース・チームのまさに本領発揮の1曲。Johnny Otisのトラディショナルと言ってもいい古い曲をカバーしているのですが、アレンジが半端じゃないです。ミステリアスなシンセベースと手拍子をバックに荘厳なコーラスやスペーシーなKeyで、あっという間に彼ら独特の変態宇宙空間に引き込まれてしまいます。

11. Chinese Revenge (dub ver.) / KOTO 1983
こちらも1983年イタロディスコクラシックのB面です。特にこのDubヴァージョンは後のデトロイトテクノにも通ずる音選びとハウス的な展開で、当時のシカゴDJ達に愛されたのがよく分ります。

12. Life in Tokyo (long ver.) / JAPAN 1979
前述のジョルジョ・モロダーがプロデュースした12inch。JAPANらしさは残しつつイタロっぽいエレクトロなディスコに仕上がっています。とくに後半のサックス以降はMick Karnの変態ベースとも相まってよりDarkにDeepに展開して行きます。

13. Forever / KEVIN McCORD 1985
ひさしぶりにKevin McCordのB面を聴いてみたところ、とてもいい曲だったので最後に置いておきます。

ALANDALUS(アランダルース)/ 都心の片隅のモロッコレストラン

アランダルースの店内。デザインもタヒリさん。
アランダルースの店内。デザインもタヒリさん。

私が初めてモロッコ料理を食べたのは、1986年に行ったパリ。サンジェルマン・デ・プレからカルチェラタンの方に歩いて行くと、何件かモロッコレストランが並んでいる一角がある。クラッシュの「ROCK THE CASBAH」やオフラ・ハザが聞こえてくるような中東のエッセンスと、意外に食べやすいクスクスのファンに、あっという間になってしまった。フランス領だったモロッコのレストランはパリに多いので、パリに行くと、フレンチよりもモロッコ料理が楽しみになっていた。

パリ以外の土地で食べたのが、3年前の香港。SOHOにあるSAFARIという北アフリカレストラン。ここでパリの記憶が蘇ってくるような本格的なクスクスとタジンに再会した。
日本に帰国後、モロッコ料理に再会したく、都内のモロッコ料理店を何件か食べ歩いてみた。都内にある本格的なモロッコ料理店は約10件。全てを制覇した訳ではないが、何処も特徴があり、一度は行く価値のあるお店が多い。

中でも私が一番足を運んでいるのがこの江古田にあるALANDALUS(アランダルース)だ。
この店は偶然通りがかりに見つけ、入っていたのだが、最高の出会いだった。店の看板にはモロッコ/スペイン料理とある。一見疑問に思えるカップリングだが、オーナーシェフのタヒリさんは、モロッコとスペインのハーフで、両方の料理を作れるのだ。
聞くと、モロッコにはエリアでフランスの文化圏と、スペインの文化圏があるという。スペインでもアンダルシア地方などは、モロッコに近いエリアになり、確認はしていないのだが、店名もアンダルシア地方と紐付いているのではないかと思う。
このアランダルースでは、スペイン寄りのモロッコにいる気分になって楽しみたい。

抜群に美味しいモロッコのスープ、ハリラ。
抜群に美味しいモロッコのスープ、ハリラ。

私がこの店で、一番お勧めしたいのが、ハリラというモロッコのスープだ。ハリラというネーミングは、コム・デ・ギャルソンのREDというフレグランスシリーズにも使われているエキゾティックな響きを持っている。
すごく濃厚なスープだが、少しスパイシーで、身体に染み渡るようなコクと風味がある。材料は企業秘密らしいが、かなりの種類の穀物をブレンドしてあるようだ。日本にあるアフリカ料理店は、日本人向きにやや食べやすくしたり、独特のクセがある風味を封鎖してしまうケースがあるが、ここは日本人に変に合わせず、ストレートに作られていることが、このハリラの濃厚でスパイシーな風味からわかる。

スペインから輸入しているオリーヴ
スペインから輸入しているオリーヴ
タコとポテトのガルシア風。
タコとポテトのガルシア風。

今回食したメニューの中では、オリーヴとタコとポテトのガルシア風が、スペイン料理である。オリーヴはスペインから直輸入しているのだが、よく食べるオリーヴとは、明らかにコクというか、味の深みが違う。
タコをふんだんに使ったタコとポテトのガルシア風は、ここで初めて食べた料理だが、前菜として毎回注文をしている。
ポルトガル料理にも通じる(ポルトガルはタコを食材にするメニューが多い)あっさりとした味付けで、ワインとの相性もいい。
因にワインのセレクションは、スペインワインが当然ながら充実している。

ミートボールのタジン
ミートボールのタジン

最近日本でも市民権を得つつあるタジン鍋。モロッコ料理というと、羊や牛といった肉が主流だが、エビやタラなど魚介類のタジン鍋も用意されており、選択肢は豊富にある。
その中でも私がよく注文するのは、ミートボールのタジン鍋だ。
一見すると煮込みハンバーグに落とし卵といった風情で、日本人にも非常に食べやすい味付けになっているので、家族で利用する際には、是非試して頂きたい一品である。
イスラエル料理のシャクシューカにも似た煮込み料理だが、こちらの方がややスパイシーで食べ応えがあるかもしれない。

野菜のクスクス。右のスープをかけて食す。
野菜のクスクス。右のスープをかけて食す。

モロッコ料理の代表といえばクスクスだ。クスクス自体は粒状のパスタのようなもので、それに何らかのスープやシチューをかけて食べるのが一般的だ。
パリのモロッコレストランには、かなりの種類のシチューをチョイス出来るクスクスが用意されている。今回は野菜のクスクスをオーダーしたが、一人や二人では食べきれないほどのボリュームがある。
アランダルースのクスクスの特徴の一つに、惜しみなく素材が使われている事がある。野菜のクスクスだと、豪快にカットされた野菜がゴロゴロと入っているので、食べ応えも十分ある。
見た目からは、かなりこってりした料理のような印象を持ってしまうが、実はかなりあっさりしている。
そういう意味でプラスワンの味覚として使うのが、アリッサである。

モロッコの香辛料アリッサ
モロッコの香辛料アリッサ

クスクスには、少しこのアフリカ系香辛料アリッサを混ぜて食べると、スパイシーになり、風味が増す。
もしクスクスとセットで出てこない場合、アリッサというと、持ってきてくれるので、是非試してみて頂きたい。

ミントティー。独特のポット。
ミントティー。独特のポット。

モロッコ料理の最後はミントティーが定番。独特の銀のポットで、高い位置から滝のように流してミントティーを入れるのが、モロッコ式。出来れば砂糖入りで、ちょっと甘めで飲む事をお勧めしたい。
この銀のティーポットは、お店でも購入することが出来る。

オーナーシェフのタヒリさん。屋敷豪太さんみたいで、格好いい。
オーナーシェフのタヒリさん。屋敷豪太さんみたいで、格好いい。

オーナーシェフのタヒリさんは、スペインとモロッコのハーフで、日本に来て10年で、最初はスペイン料理店で働いており、自分の育ったルーツの料理を紹介すべく、開業をしたそうだ。前回ご紹介したイスラエル料理ピンクカミラのマルセロさんと似たようなバックボーンである。
今回はモロッコ料理メインだったが、パエリアなどスペインメニューも充実している。

学生の多い練馬の江古田という都心から少し離れたロケーションに、こつ然と存在するアランダルースだが、一度店内に入ると、全く違う世界に誘ってくれる。
江古田という土地柄か、この店はコストパフォーマンスも非常に高い。
飲み物の注文にもよるが、お一人3000円位の予算で今回紹介したメニューは、充分満喫して頂ける筈である。
ランチ営業もしているので、気取らず気軽にモロッコ料理を楽しめるのも、アランダルースの良さである。
セルクルルージュでは、今後もこのようなお店を紹介していき、読んで頂いた方の選択肢を増やすお手伝いをしていく予定です。

アランダルース
東京都練馬区旭丘1‐75‐1 瀧島ビル2F
03-3565-1301
西武池袋線江古田駅南口徒歩3分/都営大江戸線新江古田駅徒歩6分
ランチ 11:00~15:00
ディナー 17:00~23:00(FOOD L.O.22:30)
定休日:火曜日

人はそれと知らずに、必ずめぐり会う。たとえ互いの身に何が起こり、どのような道をたどろうとも、必ず赤い輪の中で結び合うーラーマ・クリシュナー (ジャン・ピエール・メルヴィル監督「仁義」*原題"Le Cercle Rouge"より)