Love Light (remix) / JERNEY KAAGMAN 1986
オランダのプログレ・ポップ・バンドEARTH AND FIRE(EARTH, WIND & FIREではありません)の女性リード・ヴォーカルが80年代中期に発表したソロ・シングル12inchリミックス。ヨーロッパ的なイナタいメロディとピコピコした打ち込みサウンドは良質なテクノ・ポップとして今また新鮮に聴こえます。
One Light in The Blackout / THE QUICK 1982
UKの白人2人組バンドTHE QUICKのアルバム同名タイトルの12inchシングル・ロング・ヴァージョン。AORな雰囲気も併せ持ちながら、所々でMick Karnを連想させる独特なベースとコズミックなシンセ使いが気持ちいいバレアリック・ナンバーです。
Gimme What You Got (long) / LE PAMPLEMOUSSE 1976
LAURIN RINDER & MICHAEL LEWISの変態二人組による、懐かしい『Ultimate Breaks & Beats』シリーズにも収録されたブレイクビーツ・クラシックのオリジナル12inch。浮遊感たっぷりのシンセと後半から展開する女性コーラスで身も心も多幸感に包まれてしまいます。
Groove-On / WILLE “BEAVER” HALE 1980
『Party Down』や『Concrete Jungle』で名の知れたギタリスト、LITTLE BEAVERことWILLE “BEAVER” HALE が1980年にT.K. DISCOから放った極上マイアミ・メロウ・ソウル12inch。チャカポコなリズム・ギターが最高です。
Love You Inside Out / BEE GEES 1979
1977年サントラ『Suturday Night Fever』の2年後にリリースされたアルバム『Spirits Having Flown』からの大ヒット・シングル12inch。SNOOP DOGGやJAY-Z & R.KELLYにも取り上げられた特大クラシックで、あまりにもメジャーすぎて入れようかどうか迷いましたが、いい曲なので混ぜちゃいました。
Jojo / BOZ SCAGGS 1980
当時西海岸最高のセッションメンバーを揃えて1980年に発表されたAOR名アルバム『Middle Man』からの12inchシングル。イントロからTOTOのドラマーJEFF PORCAROありきの曲。彼の絶妙なタイム感とグルーヴィでタイトなドラムス無くしては世に出る事はなかったであろう素晴らしい演奏を聴かせてくれます。
You Got The Stuff / BILL WITHERS 1978
数々の名曲を持つBILL WITHERSの1978年発表アルバム『’Bout Love』に収録された、以外と知られていないドープでファンキーなドス黒い一曲。12inchシングルにしか入っていない後半永遠と続くスモーキーでネチっこいブレイクは必聴です。
Genius Love / TOM TOM CLUB 1981
説明不要の彼ら最大のヒットであり代表曲。35年近く経ってもこのチープで印象的なイントロは忘れることが出来ません。MTV時代と相まってヘタウマ・アニメーションのPVもお洒落で可愛かったですね。
Too Through / BAD GIRLS 1981
『Turn Me Up』が有名なKEITH BARROWが作曲、TEE SCOTTがMIXしたミッドテンポでファンキーな12inch。極太なベースとJOCELYN BROWNのヴォーカルが炸裂する、オールドスクール・テイストなブギーに仕上がっています。
Search for The Hero (m people master mix) / M PEOPLE 1995
1994年UKデビュー、翌年グランド・ビート・ブームの波に乗って全英9位まで上り詰めたヒット曲。このM PEOPLEや次に紹介するTHE CHIMES、さらにTHE BRAND NEW HEAVIESなども含め、そこそこのルックスで歌の上手い黒人女性ヴォーカルを前面に配してクラブっぽいダンス・サウンドを奏でる、ヴィジュアルと音の両面からアピールするやり方が当時のUKミュージック・シーンの常套手段だったのかもしれません。
I Still Haven’t Found What I’m Looking For (manasseh mix) / THE CHIMES 1990
このTHE CHIMESも短期間でしたが人気を博したバンドの一つ。ここではU2のスピリチャルなメッセージ・ソングをソウルフルにカバー。原曲もいいのですが、PAULINE HENRY嬢の伸びのあるヴォーカルにBARRY WHITEばりのスムースで煌びやかなストリングスが乗るこのヴァージョンもなかなかの出来です。
I Got Rhythm / MIKE OLDFIELD 1979
もう一曲最後もカバーで。MIKE OLDFIELD1979年問題作『Platinum』より。彼の膨大な作品郡の中でも70年代後期のディスコ・ダンスミュージックの台頭に影響されてか、他の作品と比べ単純で踊りやすいリズムを意識して造られた『Platinum』は、コアなプログレ・ファンから当時酷評されましたが個人的には最も好きな作品のひとつです。アルバム・ラストを飾るこの曲は、かのGEORGE GERSHWINが1930年に発表した名曲をBPM速度を限界まで落として、しっとりとしたアレンジに置き換えることでオリジナルとはまったく別の音楽に昇華しています。
山:川野さんは『ピーターガン』を、その頃は切り替えの時に良く使っていた印象があります。
川:あれは、アート・オブ・ノイズ版っですね。オリジナルは古いから音が籠るんだけど、アート・オブ・ノイズは新しいから、音が抜けるので、空気を変えるのにはちょうど良かった。ギターは、オリジナルと同じデュアン・エディだったと思います。
THE JAMが『バットマンのテーマ』とかカバーする感覚で、60年代アメリカのTV主題曲が格好いいという感覚が、当時はありました。
山:自分はパンク~ニューウェーブの直撃世代なので、ちょっとダサい表現なんだけど(笑)、ハイブリッドな音楽に魅力を感じるんですよ。単純にレゲエとか、ヒップホップとかというよりも、色んな要素がかけ合わさって一つの音楽になるような。後期クラッシュやスタイル・カウンシルなんかも、すごくそういう要素が強いと思います。
クラッシュの『コンバットロック』というアルバムには 『Should I Stay or Should I Go』の様なパンクアンセムもあれば『ROCK THE CASBAH』の様なガラージュ・クラシックスも入っていたりして、とても同じグループの曲とは思えないくらい(笑)ハイブリッドな構成ですよね。
山:この辺もネタの面白さですよね。ジャングル・ブラザースも含めて、この辺のグループは、トラックの選び方が面白かった。
ビースティ・ボーイズも、ロックとヒップホップのハイブリッドとして、すごく新鮮でした。
TOKYO NO1 SOUL SETのメンバーを、当初どういう配置にするかという事は、かなり考えました。
月曜日には最初ドラゴン&ビッケで入れて、マイク寄りのDJ。一番集客力のある土曜日に、当時はまだ経験が浅かった川辺ヒロシ君と、渡辺俊美君を入れるのは、勇気がいりましたが、彼らには独自のセンスと集客力があったので、結果的に成功しました。土曜日の営業という側面での音楽的なバランスは下山君(下北ナイトクラブ時代からのメインDJ)に取ってもらう形にしました。
川:僕がやっていた月曜日の最大のトピックは、当時ビーツ・インターナショナルだったノーマン・クックの来日プレイでしたね。コーラスが入ったり、ライブ的な要素もあり、すごく新鮮でした。少し前に香港でFATBOY SLIMのパフォーマンスを見たけど、当時とは本質的には変わらないですね。
僕がFUNKADELICの『Get Off Your Ass and Jam』をかけたら、ノーマンがものすごいダンスをしてくれて、翌日ライブを見たら、この曲をブレイクビーツ的に演奏していたので、納得でした。
山:あの日は小沢健二君とか、色んな人が来てくれて、サックスやMCも入る動きのあるDJでした。後日ノーマン・クックも良いパフォーマンスだったと、インタビューで語っているのを見ました。
しっかり本人にはサインをしてもらいました(笑)。
川:あれは山下さんのノーマンにプレイして欲しいという熱い情熱を、僕が当時からお付き合いのあった招聘元のスマッシュ日高社長への手紙にしてお願いをし、LIVEの後に、スケジュールを組んでもらいました。
今考えると、無茶なことやりましたが、いい企画でした。
山:ビーツ・インターナショナルは、クラッシュの『GUNS OF BRIXTON』をネタにしてヒットさせたりしていて、自分の考えているハイブリッドなコンビネーションを具現化しているグループだったので、是非やってもらいたいと思っていました。