11月23〜24日第1回こども国際映画祭in沖縄(KIFFO)が、沖縄県立博物館美術館 3 階講堂で開催され、『FLYING BODIES』が、グランプリを受賞しました。
KIFFOは、子供達が運営し、子供達が審査をする画期的な映画祭です。
小・中・高の多感な時期に映画を通じて世界を知ること、また、こどもがスタッフや審査員として映画祭に関わることで豊かな人間性を育てることを目的としており、本祭 の23日、24日の両日は小学校3年生から高校生までのこどもスタッフが受付・進行・司会・装飾誘導・技術にわかれ映画祭運営にたずさわり、プレインベントを含む3日間は、のべ700名の一般観客が映画祭をおとずれました。
こどもボランティアは応募が100名以上あり、常時60名のこどもが働いていて走り回るので、場内アナウンスで、「上映に先駆けまして、携帯電話の電源をお切りください。会場内、会場の外を走らないでください」という小学校の放送みたいな案内も、小学5年生の担当者がやっていました。
中野監督のアテンドや、舞台挨拶の呼び出し、出待ちのマイク渡しまで、子供担当者でした。
映画祭のディレクター宮平貴子さんが、同じく子供映画祭を運営しているベルリン映画祭を訪れた際に、海外セールス用の『FLYING BODIES』のフライヤーを見つけたのが、KIFFOと『FLYING BODIES』のきっかけでした。
映画祭最終日の24日には小学校3年生~中学生1年生のこども審査員10名(うち1名 は部活動により欠員)による審議が行われ、第1回目のグランプリは青森大学の男子新体操部の活動を追った中野裕之監督のノンフィクションフィルム『フライングボディーズ』が選ばれ、こども審査委員長の平良柚磨さん(小学校5年生)より、琉球ガラスの KIFFO グランプリトロフィーが贈呈されました。
こども審査委員長の平良柚磨さん(小学5年生)の講評の一部です。
「審査はとても難しく多数決は使わずに決めました。「ドキュメンタリー」や「スポーツ」「恋愛」といったいろんなジャンルがあり、最初は意見がバラバラでした。 「3作のなかで一番憧れを持ったから」「他の映画は監督に指示されて動くけどこの映 画はありのままの男子新体操そのものを映し出しているからすごい」というたくさんの 意見が出て最終的に『フライング ボディーズ』がグランプリにふさわしい映画でした。 本当なら議論するのは3回のはずが(注釈:事前に決めたルールにより)なんと6回も議論を続けるというぐらいむずかしい審査でした。中野監督にはこのような素晴らしい映画をみせてくださり心より感謝します。これからもいい映画を作って下さることを期待します。」
グランプリを受賞した中野裕之監督から、映画祭に向けてのメッセージです。
「“KIFFO でのことは一生忘れない思い出になりました。 審査状況報告からどうして『FLYING BODIES』になったかって きいているうちに泣きそうなってそこに、次から次へとこどもたちが 映画そのもので伝えたかったことをちゃんと理解して感じて くれていたことが朗読されていった。 もう、どんな苦しみがあろうとも、また頑張っていい映画を作ろうと 心に誓いながら、空港に向かうタクシーで泣きながら誓った。 ありがとう、こどもたち、スタッフのみなさん。」
そしてこども審査員の皆さんから、中野監督が頂いた映画の感想文です。
子供達が、それぞれの視点で、映画の本質をきちんと理解している事が、ダイレクトに伝わってきます。