Carlton&the ShoesのCS Doddのスタジオ・ワンからのアルバム“Love Me Forever”はとても美しいハーモニーに満ちた私の大好きなロックステディ/アーリーレゲエの一枚です。
ジャマイカの音楽は、そのrebel musicサイドであったりタフさであったりの極とラヴァーズロックにつながるもう一つの極を持っているように思います。この二極は単純な対立極では語れず、この美しいアルバムのタイトル楽曲も、ヴァーション化されBig Youth 初め様々なDJがタフサイドで使っていますし、このアルバム収録曲にもルーツ的な色合いのより内省的な歌詞もみられます。
それでもこのタイトルトラックの印象的なイントロとすばらしく甘いラブソングを歌い上げるハーモニーを聞くとき、いつもそのラバーズサイドの最も素敵な有り様を感じます。
冒頭の画像はグラディ・アンダーソンとのショーケースで来日時にもらったサインの入ったアルバムジャケット。”Ful Respect to Tetsuo From Carlton Manning”と書かれています。NUF RESPECT!
http://youtu.be/rdazVAOUQRE
シェフのマルセロさんと、マネージャーの麻由子さんご夫妻。
セルクル・ルージュでは、音楽や映画だけではなく、食にもフォーカスをしていきます。
私達なりの視点で、お店や飲食に携わる仕事をしている方々を皆様に紹介していきますので、読んで頂いた方の食に関する選択肢が、少しでも増えれば嬉しいです。
1回目は、目黒通りにあるイスラエルビストロ、ピンクカミラです。
イスラエル(ユダヤ)料理は、都内に5〜6件しかないので、あまり馴染みがないかもしれません。また中東系というと、土着的なエスニック料理店を想像しがち(それも悪くないですが)ですが、このピンクカミラに入ると、ビストロというだけあって、洗練された雰囲気にまず驚かされます。まず目につくのが、カウンターの上にディスプレイされたイスラエルワインのラインナップです。またカウンターの上にはゴッホの絵がデザインされたウォッカが並んでいます。
美しくディスプレイされたイスラエルワイン。
シェフのマルセロさんは、イスラエル大使館などのケータリングサービスをやっていたのですが、要望が多く、2年前にこのビストロを開店しました。
マルセロさん自身はカナダのモントリオールとイスラエルの二つの文化圏で育ち、奥様でお店のマネージャーでもある麻由子さんともカナダで出会ったそうです。モントリオールといえば、カナダの中でもフランス文化が強い地域ですから、ビストロという業態になったのも、自然の成り行きかと思います。
マルセロさんの料理も、お父様のルーツであるアフリカ系と、お母様のルーツであるヨーロッパ系のエッセンスが、とてもうまくブレンドされています。
ユダヤ系の民族は、中東だけではなく、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカなど、世界各地に分散
している為、色々な国のエレメンツがミックスされて成熟しているのが、現代のイスラエル料理のようです。
イスラエル料理の前菜といえば、まずはこのディップセットです。マルセロさん手焼きのピタファと一緒に食べますが、お祖母様のレシピだというナスのディップのまろやかさが絶品です。最近はひよこ豆のディップ=フムスを作るレストランが、都内では多くなってきましたので、初めて行く方でも、食べやすいメニューだと思います。
ひよこ豆、ナス、トマトのディップセット。
もう一つイスラエル料理で割とポピュラーなのが、ひよこ豆のコロッケのようなファラフェルです。ピンクカミラのファラフェルは、コリーアンダーを使った特別なレシピで作られていますが、スパイしーかつクリーミーで、とてもやさしい味です。
イスラエルの代表的な料理、ファラフェル。
今回初めて食べたのが、このタプリサラダ。クスクスみたいなタプリという麦と、イタリアンパセリをふんだんに使ったシンプルなサラダですが、何となく外国で食事をしている気分になります。
イスラエルの代表的なサラダ、タプリサラダ。
いつもメインで頼むのが、シャクシューカ。ピタファと一緒に食べる少しスパイシーな煮込み料理です。
スパイスと卵のコンビネーションが絶妙で、他の料理と同じように驚くほどまろやかに仕上がっています。
この他メインには熟成したエイジングビーフやシシカバブー、ラムチョップなど、豊富なお肉料理があります。
卵とトマトとスパイスを煮込んだシャクシューカ。
冒頭でも紹介したイスラエルワインのリストです。大使館から提供されたそうですが、ここではかなりの種類のイスラエルワインが揃えてあります。
イスラエルのワインの歴史は古く、モーゼの時代〜旧約聖書の紀元前2000年頃には、ワイン作りが盛んになっていました。その後宗教上の理由で19世紀までは積極的にワインを生産する事がなかったのですが、近年はワインの生産や輸出にも力を入れているようです。旧約聖書時代はローマに大量に輸出されていたそうですが、現代でもヨーロッパのワインには決してひけを取らないクオリティです。日本ではここでしか飲めない銘柄も、多くストックしています。
イスラエルのワインリスト
料理や飲み物も素晴らしいですが、お店の居心地が良いのは、マルセロさんと麻由子さんの明るいキャラクターに依る部分も大きいです。
ピンクカミラの魅力は、大人が落ち着いてエキゾチックな料理を楽しめる店であり、様々なゲストの嗜好、ヘルシーな食を好む方、肉をしっかり食したい方、スパイシーでエスニックな料理を好む方、アルコールを中心にタパス的な料理を楽しみたい方などに、柔軟に対応出来るメニューを用意してある点にあると思います。
これは、多様な文化がミックスされた生活環境の中から生まれたイスラエル料理の本質にも通じるものです。
また料理自体も洗練されていて、クセやアクが強くないので、イスラエルや中東系の料理が初めての方でも、食べやすいのではないかと思います。
Have a good time at Israeli Bistro!
ピンクカミラ
03-6417-9888
〒153-0064
目黒区下目黒1-5-16 本田ビル2F
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人はそれと知らずに、必ずめぐり会う。たとえ互いの身に何が起こり、どのような道をたどろうとも、必ず赤い輪の中で結び合うーラーマ・クリシュナー (ジャン・ピエール・メルヴィル監督「仁義」*原題"Le Cercle Rouge"より)