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MIX CLOUD LCR DISCO-3

LCR Disco-3をMIX CLOUDにUPしました。
今回は曲ごとに解説もつけてみました。
下記のLCR Disco-3というリンクボタンを押して頂くと、
MIX CLOUDのページにジャンプします。
楽しんで頂けたら幸いです。

LCR-Disco-3
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1. In The Sky / LOOSE END 1983
後にLoose Endsと改名し、爽やか系UKファンクの代表格となったバンドのデビュー12inchシングル。ファンクとフュージョンが融合したライトでアダルトな曲調がこの当時のUKらしい。

2. Keep Tryin’ / MANDRE 1977
MandreのファーストアルバムのA面の1曲目。このアルバムはLOFTクラシックSolar Flight (Opus I)が有名ですが、個人的にはこの曲のDeepでけだるいファンクネスにしびれます。

3. Welcome to Love / SPACE ART 1978
シンセサイザーとドラムスの2人組フランス産バンドの3枚目のアルバムPlay Backより。ストレートすぎるバンド名に不安もよぎりますが、アルバムの内容は間違いなく素晴らしい。シンセサイザーPOPでありながらプログレの要素も含んだオブスキュアな名盤。

4. Merry Go Round / TATSURO YAMASHITA 1983
去年末、日本で最もダンサブルなドラムを叩いていた青山純さんがお亡くなりになりました。1980年初頭、毎年クリスマスは中野サンプラザまで山下達郎のLiveに行っていたのですが、最大の魅力がこの曲でも叩いている青山純(dr)+伊藤広規(b)のファンク隊の演奏でした。最初に聞いたとき、日本人とは思えないそのGrooveに本気でノックアウトされたのを今でも忘れません。
ご冥福をお祈り致します。R.I.P. 青純さん。。

5. Never Give Up / SHARON REDD 1982
主に1980年頭を中心に良質なDance Musicを量産していたNYのPreludeレーベル。そこのお抱えミキサーFrancois KがREMIXを担当した曲の数々はNEW YORK SOUNDの代名詞と言えます。数多くのヒット曲を持つSharon Reddのなかでも特に情熱的に歌い上げるこの曲は、やはりOriginal 12inch Voval Versionがいい。

6. Hold on to Love / SAINT TROPEZ 1979
Rinder & Lewisという男性2人組のDance Music Creator Teamがプロデュースした隠れた名曲。自身の作品では変態ギリギリの危ない曲も多い彼らですが、この曲は究極に美しい。

7. Everybody Wants to Rule The World (extended ver.) / TEARS FOR FEARS 1985
誰もがご存知のTears for Fearsの世界的ヒットの12inchヴァージョン。いい曲はいい。

8. Faith in This Colour / DURAN DURAN 1983
Duran Duranのヒット曲で歌い出しが「プリーズ、プリーズ、テールミーナウ!」のB面インスト曲。昔買った12inchなのですが、買って以来A面は一度も針を落とした事がない。

9. Bostich / YELLO 1980
GarageクラシックでLarry Levenのお気に入りとしても有名な曲。当時はその良さがイマイチ理解出来なかったのが正直なところですが、今聞き直すと凝った音創りは確かに深い。

10. Born Under Punches (the heat goes on) / TALKING HEADS 1980
My Favorite BandであるTalking Headの中でも最重要曲。この曲がなければ、まだ若くロック至上主義の自分がDance Musicに傾倒して行く事は無かったと思われる、自身の音楽遍歴の岐路に立つリズムが主役の革命的楽曲です。ちなみにこれも12inchなので音が太い。

11. Our Darkness (remix) / ANNE CLARK 1984
REMIXでボトムのキックが強調されよりハウス的になったリズムに乗って、イギリスの女流詩人が歌うNew Waveヒット曲。1984年、ハウス誕生前夜にシカゴのDJ達に愛されたこの12inchは今聴いてもハードエッジです。

12. Communicate (instr.) / KIRLIAN CAMERA 1983
イタロの重鎮KIRLIAN CAMERAの至極の一曲の12inchシングルB面Instrumentalヴァージョン。イタロ関係はダサい曲も多いのですが、それでもB面は要注意。

13. The Right Mix / UNITS 1982
当時のディスコやクラブはその立地や客層によってかける音の趣向がはっきりと区別されていました。その後、Disco Dub系のDJ達のおかげもあり、それらの垣根が取り払われ分け隔てなくいい曲はみんなに聴かれるようになったのはうれしいかぎり。この曲もそんなひとつだと思います。

14. Searching / CHANGE 1980
1980〜1982年のCHANGEはどれをとっても間違いありません。サウンドプロダクションは本国イタリアで制作、ヴォーカルは曲ごとに違うアーティストでNYにて録音という贅沢なつくり。この曲のボーカル担当はルーサー・ヴァンドロス。

PHISH NEW YEARS RUN 2013 at MSG NY

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すでに去年のことになってしまったのだが、、、

2013年も残り一週間足らず、世間はお正月を迎える準備でざわつく12/26の朝、高揚する気持ちを押さえながらアメリカはNYに向けて一人家を出た。約10年ぶりにロックバンドPHISHに逢いに行くためだ。今回はマンハッタンにあるNBAの名門チーム、ニューヨーク・ニックスのホームで、ロックミュージックとプロレスの聖地でもあるマディソン・スクウェア・ガーデンで12/28~12/31の4日間公演New Years Runだ。彼らのマディソン・スクウェア・ガーデンでの公演は今回の4公演を含めると計31回になる。ちなみに僕自身のPHISH体験は今回で計46回だ(46 days!)。

12:28-1

PHISHは間違いなく、アメリカを代表するLive Rock Bandと言える。しかし長いキャリアのわりにこれと言ったヒット曲があるわけでもなく、日本での知名度はほとんど無いに等しいのだが、1999年フジロック・フェスティバルでは、3日間毎晩3時間以上の演奏を許された唯一のバンドでもある。

PHISHと書いて「フィッシュ」と読む。ファンの間ではFriendをPhriend、ForeverをPhoeverなど、[ F ]を[ Ph ]に置き換える事がお気に入りの遊びになっており、もちろんファンはPhansとも表記される。

先月の12月2日でデビューから30周年を迎えたこのバンドは、オリジナル301曲、カバー約350曲(1/4/2014現在)という膨大なレパートリーから毎晩違う選曲と演奏で僕たちを宇宙の果てまで魅了してくれる。

12:30-3

メディアの売り上げではなく主にライヴでの収入で稼ぐバンド(Jam Band)の代表格であり、キャパ10,000~30,000人の会場を毎回Sold Outにしながら、2013年は夏と秋の米国内ツアーと、今回のマディソン・スクウェア・ガーデンでのNew Years Runを合わせて年間で41公演(これは例年と比べて少ない公演数)を行った。

何より彼らの最大の魅力は即興のJamにある。一言にJamと言っても美しいアンビエントからヘビーなメタルサウンドまでその夜その曲がどんなJamにつながるかは誰も予想出来ない。たぶんメンバー本人達も事前に何も決めていないし、彼らのステージにセットリストは存在しない、選曲もその場で即興だ。ファンの間でBig Jam Songと呼ばれるいくつかの曲は、メロディーや曲そのものの魅力よりその後に続くJamが毎回とんでもない事になるのが人気の理由だ。

12:30-2

このバンドは一晩(1公演)観ただけでは何も判断出来ない。本人達の調子の良し悪しでその夜のクオリティに雲泥の差が生じるからだ。そうアタリ・ハズレのあるバンドなのだ。もちろん、この前の秋の東海岸ツアーのように12公演の殆どがグレートな時もある。だからファンは可能な限り彼らを追いかける。いつか体験した、他のバンドでは得る事のできない驚くべき演奏と感動をまた目の当たりにしたくて。

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さてそんな中毒性のあるモンスター・バンド、PHISHのNew Years Run 4日間は本当に素晴らしいものだった。自身が9年半ぶり海外でのライヴ体験という喜びと相まってまさに感動の極み。あっという間の4公演だった。4回中3回がGA (日本で言うところの立ち見アリーナ・ゾーン)で、それもすべてステージ寄りのWest GAという一生に一度あるかないかの幸運にも恵まれた(チケットを譲って頂いたみなさまに大感謝)。

初日12/28は様子見でWest GAの最後尾・真ん中からのヴューだったが、それでもステージまで約50〜60mの近さ。PHISHの大きな魅力の一つであるカラフルで変幻自在の照明を堪能するにはこの位置がいい。初日とは思えないテンションの高さと熱の入った演奏にノックアウト。Tweezer最高、Steamに降参。

ステージ左サイドのスタンド良席(sec115 row12)からの2日目、12/29のSet2は曲数も6曲と少なく(ということは1曲1曲が長いという事)、DarkでDeepなJamは僕らが理想とする彼らのベストプレイの一つだった。一曲目のDown with Diseaseは必聴。ファンの間でもこの日をフェイバリットに上げる人が多く、まさにアメイジング。

3日目12/30はWest GAでも初日より前の方に挑戦。ステージから9〜10列目の真ん中はPAとの位置関係が絶妙で、大音量かつクリアなサウンドが天から降り注いでくる感覚を楽しんだ。もちろん、演奏も鬼気迫るすばらしい内容。アンコールでSlave to the Traffic Lightを持って来るとは。。ちなみに今回ここまでPHISHは一切カバー曲を演奏していない。この4日間はデビュー30周年を記念して、すべてオリジナル曲だけで構成するつもりらしい。

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最終日で大晦日New Year Eveの12/31も、前から7~8番目のど真ん中という絶好のポジションで、カウントダウンの瞬間はPHISHが演奏するAuld Lang Syne (蛍の光。厳密に言うとこれはカバー曲)をBGMに、夢にまで見た大量バルーンの雨あられに歓喜した。

PHISHのShowは通常2セット構成なのだが、毎年12/31はカウントダウンの関係で3セット構成になる。Set 1とSet 2の間の最初のセットブレイク(休憩時間)中、会場で上映されたSpecial VTRからシンクロしてGAフロア(アリーナ)中央に登場した、トラックを模した特設ミニステージ(おかげでこのセットだけはステージから少し遠くなったけど)では、近年めったに演奏しなくなった初期レア曲を披露。なんと9曲中6曲がGamehendge Song。また、この夜のセットブレイクのBGMはすべて彼らのデビュー年1983年にリリースされたDance Music Only。しょっぱながEddy GrantのElectric Avenueで会場もDisco状態。そこから踊らされ続けて全然休ませてくれない。カウントダウン後の1曲目は最近発表した新曲中最も支持が多かったすでに名曲のFuegoで会場は大爆発。最初から最後まで大ネタ小ネタ満載のとにかく30周年にふさわしいすべてがスペシャルな夜だった。

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ところで、今回のNYRを見に行く事が出来たのは、昔PHISHを一緒に追いかけたアメリカの親友ティムが去年の春先からメールでしつこく僕の事を誘ってくれていたのがきっかけだ。(Tim:アイルランド系アメリカ人の35歳。初めてPHISHを見たのは1994年4月22日、彼が15歳の時。それ以降殆どのPHISH Showを追いかけ続け、現在ティムのPHISH体験回数はなんと446回!! 僕のアメリカでのBuddyであり年下の先生でもある) 彼が僕を誘い続けた理由は、去年2013年がPHISHのデビュー30周年だったから。20周年ツアーも一緒に追いかけた仲だが、10年以上も前になるそれらの出来事は、多分彼も初めての日本人との接触でときどきコミュニケーションをとるのに苦労しながらも、二人にとっては忘れられない経験であり思い出だ。お互い信頼出来る理由は「どれだけPHISHを愛しているか?」それだけ。何とも危なっかしい理由だが、こんなに純粋で信用出来るものはなかった。さらにもう一人、PHISHつながりの長年の友人である荒川くん(彼は今回のNYRでPHISH体験108回!たぶん日本人最多回数記録!)のおかげで入手困難なチケットを手に入れる事ができたし、彼の手引きがなければ今回の僕のNY行きはなかったと思う。そんな二人に心から感謝。

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PHISH 公式HP:Phish.com