立川のシネマシティ2にて、1970年に製作されたエルヴィス・プレスリーのライブドキュメンタリー「エルビス・オン・ステージ」を、9月8日まで上映していますが、そのオープニング上映に行ってきました。
シネマシティ2は、スタジオと称する映画館の領域を超えたサウンドシステムを備えている劇場で、音楽系の作品を上映した場合には、都内随一の臨場感になっていると思います。
極上音響上映と題して、作品の内容に合わせたサウンドチューニングをしてくれるので、これまでもマイケル・ジャクスンの「This is it」やクイーン、ストーンズのライブフィルム、FATBOY SLIMのODS LIVEなどを、ライブ会場にいるようなサウンドで再現してきました。
「エルビス・オン・ステージ」は、長らく劇場では見る事が出来ませんでしたが、音楽業界の大先輩立川直樹さんプロデュースの元、今回は何とシネマシティが、劇場上映権を獲得しての上映になっています。
僕も久しぶりにこの作品を見ましたが、改めてKing Elvisこと、エルヴィスのシンガーとしてのスケールの大きさを感じることが出来ました。ロック、カントリー、ゴスペルから、70年代の時代的なトレンドにもつながるスワンプロックやソウルのエッセンスも取り入れながらも、全てがエルヴィス節になっています。この頃の派手な衣装や晩年の姿はデフォルメされて茶化される事が多かったですが、ここで見れるエルヴィスの歌手としての存在感は、改めて唯一無二のものだと実感しました。
このオープニング曲「Mystery Train~Tiger Man」の迫力を、是非ご覧下さい。
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Why Melville?
ジャン=ピエール・メルヴランスの孤高の映画作家です。
初期のレジスタンス的な思想のものから、文芸的な作品、後年のスターを起用した暗黒街もの=フィルムノワールまで、作品数は少ないものの、幅広いジャンルの映画を作っています。
時代的にはヌーヴェルヴァーグとも被りますが、ヌーヴェルヴァーグとは一線を画する存在であり、彼独自のスタイルで、芸術性と娯楽性が両立する作品を作っていました。
私たちは、そのメルヴィルの持つ娯楽性+芸術性の両立と、映像+音楽+ファッションが一つの信念を持って融合する彼のスタイルを強くリスペクトして、このWEBのタイトルを名付けました。
メルヴィルの最も知られている作品は、アラン・ドロン主演の「サムライ」です。
私が初めて観たメルヴィル作品も「サムライ」で、ドロン演じる寡黙な殺し屋ジェフ・コステロのクールさに、すっかりはまってしまいました。
「サムライ」、「仁義」(Le Cercle Rouge)、思いがけずも遺作となった「リスボン特急」と、晩年の3作は、ドロン3部作と言われ、比較的地味だったメルヴィルの作品が大きく世界に認知されるようになりました。
こちらはこのwebのタイトルでもある「仁義」1970年公開時のフランスの予告編です。この作品は、メルヴィル作品としては、フランス国内で最大のヒットとなりました。
アラン・ドロン、イブ・モンタンという2大スターの競演が当時は話題でしたが、非常にフランス的な作品だった「サムライ」に比べると、メルヴィルが好きだったという1940〜50年代のハリウッド産フィルムノワールの影響が強く感じられます。
http://youtu.be/yr14sYmm8HY