誰にでも他人には教えたくなくとっておきの店がある筈である。
今日はそんな中の1件を紹介したい。
ゴールデン街の片隅にあるビストロPAVOである。
PAVOを紹介したくない理由は簡単だ。
まず店が狭いから、人気が出過ぎると入れなくなる。
店内はカウンターのみ。10人も入らないだろう。
ブラっと寄って入れる確率は、非常に低い。
次に料理が、非常に旨い。
何を食べても旨い。そしてクリエイティブだ。
他では味わえない美味しさなのだ。
そして最後の理由。
ここの料理は、信じられない程、値段が安い。
一番高いメニューが800円である。
だから、気軽に寄れなくなるので、人気が出ると困るのだ。
運良く店内で席につけると、まず酢漬けのお通しが出てくる。
僕はあまり酢漬けやピクルスといった料理が好きではないのだが、ここのは旨い。
大きな瓶から、いつも野菜の酢漬けを取り出してくれるのが、その作業を見ているだけでも楽しくなるのだ。
その日のメニューは黒板で確認する。定番メニューと、季節の素材の料理がバランス良く書かれている。
この日は、まずはアミューズで、ゴルゴンゾーラ入り若鶏のレバーパテから試してみた。
パテの中にゴルゴンゾーラ。これにバケットを組み合わせたら、最強のアミューズとなる。
次に定番メニューを2点紹介しよう。
まずは新宿で二番目に旨い揚げッコリー。
二番目は謙遜で、間違いなく1番旨いだろう。
ブロッコリーの揚げ物という発想自体が新しいが、これは癖になる美味しさだ。
初めて行った方には、是非試して頂きたい一品である。
毎回必ず注文するのがPAVOサラダだ。
色とりどりの野菜と、チーズやイチジクといったアクセントになる素材とのバランスが絶妙である。
この日のメインは、豚バラ肉の塩角煮、白トリュフの香りづけと、石川産真さばの炙り、ゆずの香りをチョイス。
魚は特に旬の素材が用意されているが、肉と魚どちらを選択しても間違いはない。
豚バラ肉、さばと、ややクセのある素材を、トリュフやゆずの香りを使って、サッパリと仕上げている。
それぞれ何と500円で提供されている。
味もコスパも満点のメイン料理だ。
更にもう1品名物料理を注文。
今夜もあつあつ、Joe熱のメンチカツである。
それぞれ料理のタイトルも味があるが、このメンチカツは中にジューシーなチーズが埋め込まれ、実に芳醇な味わいになっている。
揚げッコリーと並び、訪れたら、是非試して頂きたい1品である。
何とPAVOの料理メニューは、300円、500円、800円のみである。
これまで紹介した料理でいうと、揚げッコリーやレバーパテは300円。それ以外は全て500円である。
一番高額の800円は、パスタやリゾットなどのメニュー。この日は満腹になり、パスタまではたどり着けなかった。
最近良くあるタパスのある店には、単価は低いがポーションもすごく小さい事が多い。
しかしPAVOにそれは当てはまらない。
2名で3〜4品頼めば、ほぼ満腹になる。
ドリンクはオール700円。
これで混まないわけはない。
行きたい時に行けなくなるので、あまり頻繁に行って頂くのも考えものですが、ゴールデン街周辺にいらした際は、是非とも寄って頂きたいビストロである。
PAVOが満席の場合、全く料理は違いますが、2階にあるエスニックバークリシュナもお勧めである。
ビストロバル PAVO
TEL 03-6273-8282