8月初めのGIGIの日本でのオーダー会の時期が近づくと、私どものセルクルルージュの『テーラード』のサイトを訪れる方が増えるように思います。ありがとうございます。
この8月は私自身はスーツをダルクオーレで誂えませんでしたが、2月の仮縫い時に予告して、ご報告せずじまいになっていたアイリッシュリネンのスーツを体になじませるべく着倒しています。
昨年の夏の『サルトリアスーツの気分』を盛り込んだスーツをご紹介します。昨年のオーダー時には、コットン、シアサッカーとも迷いましたダルクオーレのおすすめのウエイト感のあるドライなアイリッシュリネンがすばらしく、こちらを選択しました。色もタバコと迷いましたが、自分のテーマカラーであるネーヴィーにしました。当たり前なものを異常に着るのがテーマです。
ダルクオーレからは一切の裏地、一切の副素材なしでいこう、の提案。構築的にできるのか?袖はシャツ時が透けないか?等迷いましたが、GIGIがこう作るのが一番格好がいい、と断言し私もその提案に乗ってみることにしました。仕上がりは、生地のドライさも相まって上の写真でも伝わるサルト的構築感がすてきなスーツとして仕上がってきました。
ジャケットは、ダブルステッチにして着込んだとき味がでる様にと初めから決めていました。
ラペルは、ここのところのムードであるゴージやや低く、ラペル幅は広くしました。上の写真の様にダブルステッチのステッチワークやラペルの返りやボタンホールにサルトリア感を強く感じる仕上がりです。
ディテールでは最近サルト仕立てのスーツを着た人たちのスナップにも見られる、パッチのダブルポケット。パッチポケット版チェンジポケットですね。
裏地は一切なし。大見返し。背側も袖も一切ありません。正にリネンのみのリネンスーツですね。オーダー時にGIGIもいい感じに着倒しなじんだ味のあるスーツを着ていましたが、「自分で洗濯機で洗っている』と真顔でいていました。さすがに、私は麻のシャツジャケットは自分で洗いをかけましたが、このスーツは洗いません。まして洗濯機では。
パンツはここ数年のオーダー時の定番。サイドアジャスター、プリーツはツープリーツにしウエスマンは4cmと少し細くしプレイシーズはせずに着ています。
ちまたでもサルトリアスーツはトレンドを語るキーワード化しています。サルトリア的な要素を盛り込んだ、という意味かと思います。
私はもう少しシリアスに、作り手とのビスポークの中に自分のワードローブを積み上げていく過程に興味があります。最近のピッティのスナップでもそうしたシリアスなサルトリアスーツをノンシャランと着る若い世代がいて頼もしさとシンパシーを感じています。