KawaguchiTetsuo のすべての投稿

1958年東京生まれ。 20歳でLA、30歳でParisに暮らし、旅もいろいろしてきた。 世界をぐるっと回った目を持って、今東京で何をするのかを考える。 music  early reggae&dub,mulato music(by all means),soundtracks, cinema  特別な一日 style   stile latino 、どこかtwisted感のあるコンサバ、退屈でないクラシック     rockなテーラード(チャーリー・ワッツ)、スエード、 food   pian del ciampoloと天然酵母パンと野菜のプレート,豆料理,麺

MIXCLOUD LCR a fake soundtrack-1

写真-5

もうおなじみになりましたMIXCLOUDでのLCRのミックス、今回は私の選曲をUPいたします。これまでのDisco,Rare grooveもせまいジャンル分けにとらわれず、その人なりの解釈の自由さを持ったものになっていたと思います。私はさらに輪をかけて”a fake soundtrack”(ここからMIXCLOUDにジャンプします)ということで,私にとって「映像が浮かぶ楽曲」であったり全体として「架空の物語のサウンドトラックになっているような」そんな感じの緩いミックスをしています。どうぞsit back&relaxという感じでお楽しみいただければと思います。

楽曲名とアーティスト名は以下の通りです。

1.Um Canta De Afoxe Para O Bloco De Ile(Ile aye)/Caetano Veloso

2.Sunshower/Dr.Buzzard’s Original Savannah Band

3.Pauvre Lola/Serge Gainsbourg

4.Last Tango In Paris-Jazz/Gato Barbieri

5.Boss Tres Bien/Quartette Tres Bien

6.Elle A…Elle A Pas/Michel Legrand

7.Man From Wareika/Rico

8.Sincerely Yours/Carlton&The Shoes

9.Kingston Dub Town/The Dynamites

10.Going Places(Zemix Version)/Kid Creole&The Coconuts

11.Don’t You Worry ‘Bout A Thing/Cal Tjader&Carmen McRae

12.Early Morning Love/Moacir Santos

13.Vida Boa/Seigen Ono

過去のサイトに習って、それぞれの楽曲についてのコメントを加えます。お聴きになりながら参照いただければと思います。

1.子供の歌声とハンドクラッピングが印象的なこの楽曲でa fake soundtrackの幕開けとしました。ボサの正統的な継承者に安住せず、エキセントリックな 音楽活動で知られるカエタノ。名古屋君同様私も大好きなトーキング・ヘッズのデイヴィッド・バーンも彼のブラジリアン・ミュージックのコンピレーションアルバムで取り上げていた一曲です。

2.雷鳴とにわかに降り出した雨の音、そして子供たちの歌声が正に「映像が浮かぶ」2曲めは言わずと知れたサバンナバンド。詳しくは私の過去のサイトを参照ください。

3.”ゲンズブール・パーカッション”からスライ&ロビーとのジャマイカものまで大好きな楽曲も多いゲンズブール。ここではフランス・ギャルの笑い声が耳に焼き付く一曲を選びました。(関心のある方はyoutubeで若き日のゲンズブールと歯並びの良いフランス・ギャルの笑顔もお楽しみください。)

4.そして本物のサウンドトラックよりこの一曲。パリの街をチェイスするマーロン・ブランドが目に浮かぶような疾走感のあるナンバー。

5.続いてはライブ感のあるラテン・ジャズ。「オレー!」がかっこいい。

6.そして大御所ルグラン。私たちのグループ名の元となった映画“Le Cercle Rouge(仁義)”も元々は彼が映画音楽をやっていた(途中降板)。ルグランと一発でわかるこの曲。

7.スカタライツとともにパイオニアのリコ。ブルーノートからリリースもあるのであえてジャメイカンジャズと紹介します。その後渡英、2トーンの大好きなスペシャルズと活動していたのもうれしい限り。

8.以前にサイトで取り上げたこのグループ。そちらを参照ください。

9.ロード・クリエーターの「キングストン・タウン」のdubヴァーション。キラーです。キングストンの夜景を思い浮かべます。

10.Kid Creoleことオーガスト・ダーネルと私たちLCRのメンバーは、初めての東京公演のとき親交ができ、その後NYの彼とアドリアーナのマンションにお邪魔するという奇縁を得ました。トロピカルギャングスタの冒険譚的な彼のアルバムのコンセプトから私のfake soundtrackは大きな影響を受けていることを認めざるをえません。これはZeレーベルからのバージョン。

11.ヴィブラフォーン続きでCOOL!なCal Tjadar。言わずと知れたスティビーのカバー。

12.BlueNoteからサウダージな感じ。

13.Commeのショーの音楽も担当していた。映像が目に浮かぶこの曲で“a fake    soundtrack-1″を締めたいと思います。お聴きいただきありがとうございました。

 

stile latino (スティレラティーノ) スミズーラ#2 ブラウンシャークスキンダブルブレステッドスーツ 

黄色ラベル

今年は大雪で例年通りには行きませんが、毎年節分を過ぎ、日が少しずつ長く、力強く感じられてくると、一年で一番寒い時期というものの、重いコートの気分ではなくなってきます。新しいシーズンに想いを馳せることも多くなるのではないでしょうか?

ショップでのシーズンの立ち上がりもどんどん早まっている中、2月には季節を飛び越して盛夏のスーツが店頭に並びます。(私も早々にラティーノのレディメイドで、盛夏にふさわしいごくウエイトの軽い、きれいなブルーのピンヘッドのダブルブレステッドスーツを調達しました。)一方フルオーダーで気合を入れてスーツを仕立てる時は、どうしても英国的なウエイトのある仕立て栄えのする生地を選びたくなります。ここの季節のハザマを埋めるスーツを買い増そうというのが今回のス・ミズーラの二つ目のテーマとしました。

というわけで、3シーズン向けのウエイトのあるトニックかシャークスキンのグレーをというのが当初のイメージでした。ヴィンチェンツォの用意して生地の中ではカシミア混のシャークスキンが気に入りました。ネイビー、ミディアムグレー、ダークブラウンのバリエーションでした。それに加えBEAMSの持っていたグレーのバーズアイも含め生地選びに付き合ってくれたプリモと話しをしました。

プリモはバーズアイについては、「とてもいいけれど、昼間の服だ。シャークスキンのほうが昼間から夜の食事までエレガントだ」とシャークスキンを押しました。それではグレーのシャークスキンと決めかけたのですが、その日もブラウンのストライプを着ていたプリモは、「ブラウンは淡いピンクとかの組み合せもいい。秋だけの色ではない」というアドバイスをくれました。確かにブラウン系のスーツを来たプリモの姿を写真で見てきたように思います。

自分の中では、あまりピンクの組合せはしないだろうと思いつつ、ダークブラウンのダブルブレストに白シャツ、あえてシルクニットの黒タイでエレガントに、ベージュのシルクニットタイと素足にスリッポンで、と着こなしを考えました。

自分のスタイルを確立しつつも、服についての固定的な観念を捨て、人との関係性において自分の枠を少し広げるというのが、こうした顔の見える服作りの面白さだと思います。また、単に服を考えるのでなく生活の仕方を考えることがスタイルだと感じました。イタリア人の言うことがすべてだとは思いませんが、スタイルへの情熱を共感できたことを大変うれしく思いました。

ラティーノシャークスーツ

メジャーリングはヴィンチェンツォが担当。ジャケット同様、サンプルゲージから身幅をつまみ、着丈を1cmつめ攻めます。パンツは秋冬からのパターンを元にしました。これまでのパターンよりワタリがすっきりして、すそ周りもふくらはぎの干渉がなくクリースがきれいに見えるパターンだと思います。すそ幅は靴のサイズを聞かれ、レディメイドよりさらにつまんでいました。(上がりで確認すると17.5cm)

あがったスーツは、詰めた着丈と、パンツのワタリのからすそへのタイトさがあいまって、『エレガントかつモダン』を体現するものになっていました。ヴィンチェンツォには、お礼の気持ちをこめてクリスマスプレゼントとしてラティーノのように渋い色味の和ろうそくを選んで贈りました。クリスマス明けに「とても特別なアトモスフェアを醸し出したよ」というお礼のメールをもらいました。Grazie mille!

(i-phoneの写真は実際より黄色みが強く写っています。念のため。)