MIX CLOUD LCR Disco-11

LCR-Disco-11をMIX CLOUDにUPしました。
真っ黒ではないですが、ファンクっぽい雰囲気を意識して
フロア受けしそうな踊れる曲中心に集めてみました。
下記LCR Disco-11のリンクボタンを押して頂くと、

MIX CLOUDのページにジャンプします。

楽しんで頂けたら幸いです。

LCR Disco-11
shuroom

  1. What Took You So Long / DELEGATION 1982
    白人SSW、KEN GOLDプロデュース、UKファンク・グループDELEGATIONのヨーロッパとブラジルでのみリリースされた4枚目のアルバム『Deuces High』からのオランダ盤12inchシングル。スイートでほろ苦い極上モダンソウルです。

  2. Rock with You / MICHAEL JACKSON 1979
    アルバム『Off the Wall』からの全米Top1大ヒット・シングル。元HEATWAVEの白人キーボーディストROD TEMPERTON作詞・作曲、QUINCY JONESプロデュースのダンスクラシック定番曲。ベタかもしれませんが久しぶりに聴くと本当にいい曲だと思います。ROD TEMPERTONはこの曲を足がかりに、QUINCY JONESの協力を仰ぎながらその後ソング・ライターとして数々のヒット曲を世に放ちました。

  3. Fall in Love / SECOND IMAGE 1982 
    CENTRAL LINE『Walking Into Sunshine』で名を売ったROY CARTERプロデュース。Level 42等と同路線のSECOND IMAGEらしいメロディアスでライトな80’s UKファンクです。

  4. Straight Ahead (instr.) / THE NICK STRAKER BAND 1982 
    ここで何度も登場しているPreludeレーベルの看板ミキサー、FRANCOIS KEVORKIAN1982年渾身のシングルB面。カッティング・ギターで始まるイントロから痺れるインスト・ブギー。『A Little Bit of Jazz』が有名なバンドですが、NYサウンド・ファンの間ではこの曲の評価も高いです。

  5. Let’s Funk Tonight / BLUE FEATHERS 1981 
    オランダのマイナー・ディスコ・グループのカナダ盤12inch。最初と最後にヴォーカル&コーラスが少し入るだけで、後はギターやキーボードなどインスト・パートが素晴らしい演奏を延々と繰り広げていきます。この辺の妖しいヨーロッパ・ファンクにハマるともう後戻りできません。

  6. Out Come The Freaks (dub ver.) / WAS (NOT WAS) 1982  
    デトロイトの変態白人WAS兄弟(血は繋がってない)の1982年のシングルB面ダブ・ヴァージョン。彼らの造り出す音はダブやリミックスなど、後のハウスやブレイクビーツなどの方法論の先駆け的ポスト・プロダクションで、当時最も新しいファンク・サウンドとして一部の愛好家に人気でした。今では有りがちなインスト・ダブに聴こえなくもないですが、当時この技法がレゲエ界以外では彼らがオリジネーターであった事を想いながら聴いてみるとまた感慨深いものがあります。

  7. What A Night / CHRISTOPHER MOORE 1983 
    80年代らしい個性的なシンセ・サウンドが特長のフランス人シンガーの12inch。詳しい事はよく分りませんがちょっとチープでヨーロピアン・ブギーなベース・ラインがクセになります。
     

  8. You Got The Floor (instr.) / THE INCULCATION BAND 1981 
    70年代初期THE CRUSADERSにも在籍していたテネシー出身のヴォーカル&ギタリストARTHUR ADAMSのシングル。この曲の12inchは2種類あり、これはB面にインストが入った方。歌入りのA面もいいのですが、インストは延々と続くギターとサックスのソロが渋い、タイトル通りのフロア向きダンス・チューンです。

  9. Can You Feel It (progressive ver.) / FUNK FUSION BAND 1981 
    ASPHALT JUNGLE『Freakin’ Time』を、West Endレーベルで名を馳せたNick Martinelli & David Toddのコンビがリミックスしたロフト、ガラージ・クラシック名盤。当時東京のクラブでもよく耳にした、あの印象的な女性ヴォーカルのシャウト&ブレイクが1回だけ入るインスト、プログレッシヴ・ヴァージョンが人気でした。

  10. Stay Tonite / MANDRILL 1978 
    1978年発表アルバム『New Worlds』からの12inchシングル。アフロやラテン、ロックまで吸収し続けたNY出身の雑食ファンク・バンドのイメージが強い彼らですが、当時の典型的なディスコ・ストリングスを取り入れたモダン・ブギーなこの曲はまた違う彼らの魅力が詰まった一曲です。

  11. Inside You (part 1&2) / THE ISLEY BROTHERS 1981 
    ロック的なディティールを取り入れながら思い切りソウルフルな楽曲を奏でるアダルトなサウンドが素晴らしい、THE ISLEY BROTHERSの80’sを意識したアルバム『Inside You』からのファンキーなタイトル曲12inchシングル。長い彼らのキャリアの中でも一部のソウル・ファンの間では低迷期と評されがちなこの頃ですが決してそんな事はありません。9分越えのロング・ヴァージョン(実はLPヴァージョンも同じ長さ)は永遠に踊り続ける事が出来そうなほどグルーヴィです。

  12. Good Good Feelin’ / WAR 1979 
    限りなく太く、力強く疾走するパーカッシヴなアフロ・ロック・サウンドに、超ファンキーなTWEED SMITH嬢のヴォーカルが炸裂するWARのゴリゴリ・ディスコ・ブギー。サンフランシスコ・ミクスチャーの熱いファンクネスに降参です。

  13. Yearning for Your Love / GAP BAND 1980 
    サードアルバム『Gap Band Ⅲ』からの12inchプロモ盤、ソフト&メロウ・ディスコ名曲。ヴォーカル、演奏、アレンジ、イントロからアウトロまで完璧。LOFTクラシックでもあります。

やさしい人/”Tonnerre” ギョーム・ブラック監督最新作

© 2013 RECTANGLE PRODUCTIONS - WILD BUNCH - FRANCE 3 CINEMA
© 2013 RECTANGLE PRODUCTIONS – WILD BUNCH – FRANCE 3 CINEMA
 
『遭難者』『女っ気なし』で押しつけがましさのかけらもなく才人ぶりを印象づけた監督ギヨーム・ブラック。待望の長編デビュー作『やさしい人』は、北仏のさびれた海辺の町オルトを舞台に世界から忘れ去られた場所と人との共振をやわらかに掬った前2作同様、ブルゴーニュ地方の小さな町トネールを舞台にその土地のゴシック・ロマンな肌触りを映して中年男を貫く突然の雷鳴のような狂った恋と勘違いの使命感の物語を差し出してみせる。

© 2013 RECTANGLE PRODUCTIONS - WILD BUNCH - FRANCE 3 CINEMA
© 2013 RECTANGLE PRODUCTIONS – WILD BUNCH – FRANCE 3 CINEMA

 ヴァカンス映画の軽やかさを受け継いだ『女っ気なし』の成功に安住することなく、果敢に変化をのみこんだ新作は、しかしよく見ると冬の夜のちょっと怖いお伽噺にも似た感触、携帯メールを話の運びに使う術、胸に燻るもやもやの解き放ち方――と『遭難者』の心に荒海を抱えた自転車のりをめぐるお話とそう遠くない世界を感じさせもする。監督ブラックの才能の柔軟性と好ましい頑なさとを共に確認させてもくれる。

© 2013 RECTANGLE PRODUCTIONS - WILD BUNCH - FRANCE 3 CINEMA
© 2013 RECTANGLE PRODUCTIONS – WILD BUNCH – FRANCE 3 CINEMA

 それなりに知られたインディ系ロッカー役で今回も主役を務めるヴァンサン・マケーニュの周到な演技と土地っ子のノンシャランとした存在の力とをつきあわせる手法に磨きをかけるいっぽうで、ブラックはスマートフォンの待ち受け画面として印象的に挿入されるゴッホの絵、そこに漲る狂気を主人公の狂った恋の深化を指し示す道しるべのように活かしたり、雪と雨の対比で心の温度差を縁取ったり、終盤にかけフィルム・ノワールの方へと舵を切ったりと、緻密に計算された語りの術の冴えも新たに感じさせる。思春期映画になるという次回作への期待も否応なしに膨らんでいく。

© 2013 RECTANGLE PRODUCTIONS - WILD BUNCH - FRANCE 3 CINEMA
© 2013 RECTANGLE PRODUCTIONS – WILD BUNCH – FRANCE 3 CINEMA

 そんな監督ブラックの美質のなかでももういちど、確認しておきたいのが人に向けた確かな眼差しのことだ。
 今回は敬愛するジャック・ロジエ映画で知られるベルナール・メネズが「祖父の世代のちょっと大げさな演劇性(笑)」(監督談)を全開にして素敵に象る父とマケーニュの息子の関係にとりわけその確かな眼が息づいている。
 互いの胸に残された人生の痕跡、傷も痛みも楽しい思い出も、忘れたり風化したりしたようでしかし、時にふっと帰りくる記憶として、しらんぷりしたそれぞれの時空を侵食する。直截に語られるわけではなくとも人と人の歩みの歴史を涙ぐましくそれが裏打ちしていることを、ブラックはさりげなく不器用な父と子の関係にたくしこむ。そこに浮上する人という存在の普遍の真実。それを普通の家庭の食卓にとけこんだヴェルレーヌの詩の一場に映画はこともなげに響かせる。密やかなのに鮮やかな永遠のつかみとり方を前にすると「あゝ!――そのやうな時もありき、寒い寒い 日なりき」なんて中也の詩集を思わずこっそりひっぱり出したくなったりするかもしれない。

© 2013 RECTANGLE PRODUCTIONS - WILD BUNCH - FRANCE 3 CINEMA
© 2013 RECTANGLE PRODUCTIONS – WILD BUNCH – FRANCE 3 CINEMA

『やさしい人』は渋谷・ユーロスペースで公開中。名古屋シネマテークで11月29日から、その他全国で順次公開予定。
オフィシャル・サイト 

次回のLCR Cinema Disucussionでも取り上げる予定です。乞うご期待!

© 2013 RECTANGLE PRODUCTIONS - WILD BUNCH - FRANCE 3 CINEMA
© 2013 RECTANGLE PRODUCTIONS – WILD BUNCH – FRANCE 3 CINEMA

人はそれと知らずに、必ずめぐり会う。たとえ互いの身に何が起こり、どのような道をたどろうとも、必ず赤い輪の中で結び合うーラーマ・クリシュナー (ジャン・ピエール・メルヴィル監督「仁義」*原題"Le Cercle Rouge"より)